【クラダシ 河村晃平社長CEO】 <連結売上30億円超に> /2年後、売上3倍強の100億円へ(2025年10月9日号)

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 ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシの業績が復調傾向にある。25年6月期における連結売上高は、前期比7.5%増の30億7000万円だった。主力のEC事業の売上高は、同9.9%増だった。河村晃平社長CEOは「27年6月期までには連結売上高100億円を目指しており、今後も引き続きM&A、サプライチェーンによる機能拡張、EC事業の強化などに注力していく」と話す。河村社長CEOに前期の振り返りと今後の成長戦略の詳細や、M&Aの方針などについて聞いた。

■逆風が吹いた1年

 ─前期を振り返って、食品ロスの市場はどのような市況感なのか。
 市場環境について、一言で言えば「当社にとっては厳しい逆風が吹いていた」というのが実情だ。
 現在、インフレや円安の影響で多くの食品メーカーが値上げをしており、業績は好調に推移している。それに伴い、小売業界も過去最高益を記録する企業が少なくない。これは、通常のサプライチェーン(一次流通)が非常にスムーズに機能している状態を意味している。しかし、当社にとっては、これが「逆風」になっている。一次流通が滞りなく回っていると、廃棄される前の「ロス商品」が発生しにくくなり、当社の仕入れが難しくなってしまう。
 現在のこの状況は「過渡期」だと捉えている。値上げが続けば、いずれ消費者の購買意欲は鈍化し、小売店での販売が滞り始めるだろう。そのしわ寄せは、卸、そしてメーカーへと波及していく。そうなると、製造計画と実績にズレが生じ、結果として在庫が発生する。そのとき、再び当社のプラットフォームが社会的な受け皿として機能するサイクルに戻ると予測している。
 ─そのような市況感の中で、連結売上高が前期比7.5%増の30億円超だった。どのように評価しているか。
 先ほどお話しした通り、仕入れが非常に厳しい中、

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月9日号で)

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