加工肉メーカーの米久(本社静岡県、吉野裕彦社長)は、カタログ通販とECの年間売上が約30億円の規模になっている。「感動を創る」という創業理念のもとに開発する商品でリピーター獲得につなげている。日常的に楽しめる商品展開で自家需要も掘り起こす。中元・歳暮が縮小傾向にある中、月間売上の波を小さくしている。EC運営を担当する高村信利ユニットマネージャーに話を聞いた。
■中元に代わる商品戦略
─中元シーズンの手応えは。
昨年よりもさらに減った印象を受けている。昨年に続いて中元で利用した顧客も贈り先を減らしている傾向がある。3000円台の低価格商品が動いている傾向もある。
現在、中元を贈るのは60代以上が中心。利用年齢は上がるいっぽうで、現在の50代が新たに中元を贈り始めることは考えにくい。中元・歳暮が減ることは分かっていたので、それに代わるものを考えてきた。
精肉や加工肉を展開する企業の間では、中元・歳暮向けの商品よりも価格を抑えたカジュアルギフトを強化する時期があった。当社は、親しい間柄で贈るギフトは減っていないことを踏まえ、価格は中元・歳暮商品と変わらなくても、おいしく人に贈りたくなる商品の開発に注力した。
中元・歳暮のフォーマルギフトは、外箱やラベルに高級感があり、詰め方が整然と美しい形式的な要素がある。一方で、親しい間柄で利用されるギフトは、フォーマルギフトよりも味や食べ応え、ボリュームを意識した商品を提案している。外箱は段ボールで開けた時にボリュームが感じられる詰め合わせにしている。商品画面でも商品やセットのボリューム感が伝わる写真を使っている。売れ行きは好調で、低価格だから売れるというわけではなく、価格に対する量の納得感が購入につながっているとみている。
■他にない味を提供
─商品開発で留意している点を聞きたい。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月18日号で)
【米久 営業統括部直販ユニット ユニットマネージャー 高村信利氏】 <EC通販売上は約30億円に> /自家需要とカジュアルギフトを強化(2025年9月18日号)
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