西日本旅客鉄道(JR西日本、本社大阪府、倉坂昇治代表)が運営するECモール「WESTER(ウェスター)モール」の25年8月の流通額は、前年同月比10倍に伸長した。30年までに年間流通額を50億円まで拡大するという目標を掲げている。開設から約1年半の取り組みや、見えてきた課題、注力しているポイントについて、デジタルソリューション本部WESTERモール推進室の宮武弘幸氏に聞いた。
─「WESTERモール」を開設した経緯は。
「WESTERモール」はJR西日本グループが提供する「WESTER」という会員サービスの一環として、24年4月に開設した。
鉄道会社なので、これまで会員との接点のほとんどがリアルだったが、「WESTERモール」は時間や場所を選ばずに会員と接点を持てる機会として活用することで、会員とのエンゲージメントを高めたい。旅行の前後や旅行中の買い物でも活用していただいている。
─どんな層に利用されているのか。
サイトの利用者のほとんどが「WESTER」の会員だ。
会員は40~50代の男性が最も多い。出張で鉄道の利用機会が多く、ポイントをためやすいのだろう。
現在、「WESTER」の会員数は約1100万人。半数の方に利用していただくだけでも、単純計算で550万人になる。今後は「WESTER」会員によるモールの利用割合を増やしていきたい。
─開設から1年半の推移は。
流通額は基本的に右肩上がりで順調に推移している。ただ、「WESTER」ポイントの利用期限である3月は特に流通額が上がるなど、時期によって多少のバラつきはある。
25年8月における流通額は、前年同月比10倍に伸長した。
大阪・関西万博が開催されてから、公式キャラクター「ミャクミャク」の関連商品の人気が高まり、よく売れている印象だ。
開設間もないということもあり、認知獲得のための大型クーポンやポイント施策を実施したことも奏功した。
内容はキャンペーンによって変動するが、例えば3000円以上お買い上げでその場で使えるクーポンを付与したり、グループ全体のポイントキャンペーンと連動し、モール利用者にさらに上乗せでポイントを付与するなどの施策を実施している。
利用額や還元額はこれからも検討して続けていく計画だ。
─他のECモールにはない強みは。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月11日号で)
【西日本旅客鉄道 デジタルソリューション本部 WESTERモール推進室 宮武弘幸氏】 <「WESTERモール」好調要因を聞く> 流通額10倍増、5年後に年間50億円へ(2025年9月11日号)
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