1983年に創業しビデオレンタル店を祖業とするボックスグループ(本社埼玉県)。現在はEC一本にかじを切り、累計販売本数1000万本を突破した主力商品で生せっけんコスメブランド「ルアンルアン」で攻勢を図る。現代表の姫沼諭氏は、同社の新卒第一号社員。3年前に創業者からバトンを託された。姫沼氏は「一時期は320店舗に拡大した時もあった」と語る。これまでの振り返りと今後の成長を姫沼諭代表に話を聞いた。
■最高売り上げは100億円
─創業時と現在では事業が異なる。背景を知りたい。
当社はビデオレンタル事業を祖業とし、初店舗は約30平方メートル(10坪未満)からスタートした。ビデオレンタルは、1980年代のころまで遡る。
当時は、日本にVHS(ビデオ)が普及し始めたころで、ビデオに商機を見出して販売やレンタルを始める会社が増えていった。
メーカーが発売する映画のVHSの販売価格は1万5000円程度と高額だった。これでは誰も買えないし、買わない。高単価だからレンタルにすれば儲かるのではないかとビデオレンタル店の参入が増えた。入会金に1万円を取る店もあったほどで、それだけ、VHSレンタルの市場は急拡大した。
当社はVHSレンタルを1本あたり数千円で開始した。映画館料金とほぼ同額に設定した。これが「すごいぞ、好きな時に好きな映画が観れる」と広がり、レンタル事業は急加速。以降は、ビデオレンタルから、レコードやCDも展開。CDなどの取り扱いは、90年代の話となる。さらに、同年代にはファミコンゲームが流行。これも中古ビジネスがくると捉え、テレビゲームの中古販売も始めた。
ビデオやゲームのレンタル、中古販売をそれぞれ分けて店舗展開し、FC(フランチャイズ)も開始した。最盛期は320店舗くらいまで拡大した。並行して直営店などはビデオや書籍、ゲームなどを取り扱う複合型の大型店舗を増やしていった。この時期は売上高で100億円はあったと思う。
レンタルやゲームの中古販売事業は、「ソフトボックス」「スーパーソフトボックス」「ドキドキ冒険島」の店名で展開してきた。埼玉を中心に展開したので、埼玉在住の方は店名を知っている人が多いかもしれない。
しかし、90年代後半に入ると状況が一変した。「インターネットがくる」との情報を掴み調べてみると、当社の全事業がネットに取って変わられる時代がくることが分かった。事業転換を試み始め、そこで新たに始めたのがリフレクソロジー店となる。
リフレクソロジー店の1号店開設は2000年ごろ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」7月10日号で)
【ボックスグループ 姫沼諭代表取締役】 <創業者から託されたバトン> レンタル業から業態転換しECで再起(2025年7月10日号)
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