生活用品のメーカーでEC事業も手掛けるサンコー(本社和歌山県)では、ペット用品の販売が好調だ。独自素材でズレにくくした「おくだけ吸着」を使用したフロアマットなどが顧客のニーズを捉えている。19年にはコミュニティー「サンコーペット部」を立ち上げて、オンラインとオフラインの両方で顧客と交流を図りニーズを吸い上げる。今年6月には一般社団法人「ねこと今日」とアンバサダー契約を結び、猫を飼う人たちのニーズを取り入れている。今後の商品開発やECでの展開について、角谷太基社長に聞いた。
─ペット用品を取り扱う自社ECサイトの展開を聞きたい。
当社のECサイト「三幸商店」は全体売上の25%程度のシェアに成長してきた。コミュニティーである「サンコーペット部」をはじめ、オンライン上で生活者の声を拾い上げてきた。Amazon、楽天市場などのモールにも出店し、商品を通じた接点しかなかったが、自社ECサイトの運営を始めてからは、生活者の顔が見えて、より近づけるようになった。買って、使ってもらって、喜んでもらう。さらにコミュニティーやキャンペーン、LINEアカウントでつながりが持てる。モールでも集客するが、自社サイトに促せるように施策を進めている。もっと生活者のニーズを知り、サービスを強化するために、やるべきこと、作るべき商品が見えてくる。
物を販売することが目的ではない。例えば、生活者にとっては当社の掃除用品を買うことが本来の目的ではない。使うことは手段で、家をきれいにして快適に暮らすことが目的のはず。そういった「コト」を提供していきたい。SNSの発信にも力を入れ始めたのは、最終的に生活者とのネットワークを築いていきたいからだ。
「サンコーペット部」は会員数が200人となった。よりコアなファンを増やそうと、運営体制を変更する予定で、意見交換を活発にできるようにしていく。メーカー目線だけではない商品開発につなげていく。
─これまで犬用商品が多かったが、「ねこと今日」とのアンバサダー契約で猫用商品も増えていくのか。
最近、猫用商品の売れ行きが良い。
(続きは、「日本ネット経済新聞」6月26日号で)
【サンコー 角谷太基代表取締役社長】 <ペット用品販売に注力> 生活者の声から人気商品生み出す(2025年6月26日号)
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