【クラシコム 青木耕平代表取締役社長】 <マーケティング投資強化の狙い> 売上100億円へ、見つけた”伸びしろ(2025年6月12日号)

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 雑貨やアパレルなどのECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの24年8月―25年1月期(中間期)における連結売上高は、前年同期比17.0%増の41億9300万円だった。27年7月期に売上高100億円規模を目指すため、強みであるコンテンツマーケティングに加え、オンライン広告にも注力している。マーケティング投資を拡大した背景や今後の方針について、青木耕平社長に聞いた。

 ─「北欧、暮らしの道具店」においてマーケティング投資を拡大しているが、改めて目的は。
 事業として成長を続けていくためには、どんなビジネスでも一定数のお客さまは休眠・離脱してしまうので、新規のお客さまを獲得し続けることが不可欠だ。
 ビジネスの規模が大きくなってきて、コンテンツとSNS発信による既存の方法に加えて、新たな方法も取り入れる必要性を感じた。新しく何をすべきか考えた時に、実は多くの事業者が最初に取り組んでいるマーケティング投資を当社はまだしていないことに気付いた。すでに世の中に成功事例が多く、「北欧、暮らしの道具店」でもしっかりやれば成果を出せるだろうと思った。
 オリジナル商品の比率が高まったことで、粗利率も高まった。売り上げが伸びるほど固定費率が下がる流れができたため、マーケティングに投資できる予算が増えた。24年には初のテレビCMを放送するなど、実験的な取り組みも実施した。
 ─広告運用の手応えは。
 すでにコンテンツマーケティングによる認知も一定数あったことから、アプリダウンロードなどオンライン広告による反響は良かった。やはり何も知らない状態で広告に触れるよりも、認知や親しみがある方が成果は圧倒的に出やすく、効率が良かったと思う。
 これまで社内になかったノウハウもたまってきた。収益性を保ちながらも成長を加速できる状況になっている。
 ─コンテンツ発信の場として、SNS、ユーチューブなど広く使っているが、今後注力するチャネルは。
 幅広いチャネルを常に触り続け、チャンスが来たらつかめるようにする。
 ユーチューブは25年4月にチャンネル登録者数100万人を達成したが、実は開設からしばらくは大きな手応えがなかった。コロナ禍などを機にユーチューブを利用する人が増えたことがチャンスとなった。
 今はTikTokの伸びしろが大きい状況だ。ユーチューブのように時間がかかるかもしれないが、続けることでチャンスにつながるだろう。
 ─今後もリアル展開はしないのか。
 しばらくはオンラインに集中する方針だ。
 国内だけに限ると、

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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