野菜などのサブスクを展開する坂ノ途中(本社京都府、小野邦彦社長)は18年、「海ノ向こうコーヒー事業」としてコーヒー事業を開始した。20年時点で3人だったスタッフは、現在30人近くまで増えたという。24年6月期からは、売り上げが、野菜のサブスクと同等まで増えてきており、25年6月期には、コーヒー事業の売り上げが、野菜のサブスクを上回る見込みだという。利益は野菜のサブスクのほうが多いものの、同社の?二本目の柱?として確立しつつあるようだ。コーヒー事業では一般向けのECの他に、小規模な事業者をターゲットにした、BtoBのECも好調だという。好調の要因や、今後の展開について、海ノ向こう事業執行役員の山本博文氏に話を聞いた。
■6700件のアクティブユーザー
─急成長の要因について教えてください。
コーヒー事業では特に、コーヒーの生豆のBtoB販売が好調です。現在、コーヒー豆の販売店やカフェなどを中心に、約6700件のアクティブユーザーがいます。アクティブ以外も含めると、1万件以上になります。
■儲かりにくい生豆だから
コーヒーの生豆を大手商社から購入しようとすると、かなり大きなロットになってしまいます。そのため、複数店舗を展開しているような企業でないと、なかなか購入することができません。新規に開業した人や、個人経営でカフェを運営している人だと、大手商社からの購入は難しいのが現状です。
当社では、少ないロットでコーヒーの生豆を販売しています。そのため、「小規模だけれど複数種類を取り扱いたい」といったコーヒー事業者のニーズを獲得できていると考えています。
新規の事業としてコーヒーの取り扱いを始めた顧客には、事業の成長に合わせ、コーヒー豆の仕入れをサポートする体制をとっています。営業担当がコーヒー豆の種類や量を相談できる仕組みを作っており、年間の契約につながるケースも増えています。単なるコーヒーECではなく、コーヒー事業のサポートもできる点が、大きな武器になっています。
コーヒーの生豆というのは儲かりにくい商材です。そこに焙煎や抽出という付加価値をつければ、より高い価格、利益で販売できます。
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月29日号で)
【坂ノ途中 海ノ向こうコーヒー事業部執行役員 山本博文氏】 <BtoB好調で50%増見込み> コーヒー事業が2本目の柱に(2025年5月29日号)
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