「越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)」のブランド名で海産物のネット通販を展開する伝食(本社福井県、田辺晃司代表)の成長が続いている。今年1月に楽天グループが開催した「楽天市場」の年間ベストショップを表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2024」で最高賞である総合グランプリを受賞した。24年9月期の売上高は137億円だったが、「今期は売り上げを150億円まで伸ばしたいと個人的に思っている。30年までには売り上げを200億円にまで拡大させたい」(田辺代表)と意気込む。田辺代表に現在の「甲羅組」の状況や、新ブランドを立ち上げた経緯、今後の展望などについて聞いた。
─「楽天SOY」で総合グランプリを受賞した要因は。
受賞できた要因としては、やはり多くの新規のお客さまを獲得できたからだと思っている。当社の状況を見ても、毎年11~12月にかけて、カニがよく売れる。その時期にたくさんカニを購入してもらえるのはうれしいことなのだが、逆に言えばその他の時期はあまりカニは売れないということ。どうやって年間で安定的に商品が売れるかを考えなくてはいけなかった。
そこで、当社はカニ以外の商材も取り扱い、年間を通じて商品が売れる状況を目指している。「父の日」や「土用の丑の日」では、ウナギの商品を販売している。日常使いの商品として、「骨取りさば」「骨取り鮭」、ホタテ、エビなどを販売しており、カニに頼りすぎない店舗運営を行っている。
─骨を取った切り身の魚は他社でも販売していると思う。どのように差別化を図っているのか。
やはりお買い求めいただきやすい値段で提供していることだ。消費者は、普段食べる食品はやはり1円でも安く購入したいと思うのが本音だろう。そこで、当社は一度にその年で使用する食材を大量に仕入れることで、結果として1個当たりの販売価格を抑えることができている。
あとは物流面などを内製化できていることも大きい。当社は冷蔵・冷凍倉庫を自社で保有しているのだが、その影響で「どのオペレーションを見直せばより効果的に出荷できるのか」「どうすればより固定費を抑えられるのか」が見えてくるため、コスト調整をしやすいという点がある。
─26年春に工場とテーマパークを一体化した施設を設立すると聞いた。内容と狙いについて伺いたい。
年々、ふるさと納税返礼品の出荷量が増えてきており、キャパシティーの問題でもっと大きな倉庫で出荷作業を行う必要が出てきていた。
そのとき、ただ新工場を建設するのではなく、
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月1日・8日合併号で)
【伝食 田辺晃司代表取締役】 <「楽天SOY」グランプリ受賞要因は?> /今期売上は10億円上積みの150億円狙う(2025年5月1日・8日合併号)
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