【EC社長 人生の曲がり角】 〈大都 山田岳人社長〉2代続く「問屋業の撤退」を決断

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 工具やDIY用品のECサイト「DIY FACTORY」を運営する大都(本社大阪府)は、DIY用品EC業界のリーディングカンパニーだ。トップ企業としての地位を確固たるものとした今も、19年12月期の売上高が、前期比12.4%増の42億4000万円となるなど、その成長が止まることはない。その大都のEC事業を立ち上げ、今日の地位まで導いたのが山田岳人社長だ。山田社長が97年に、当時の社長の娘婿として入社したころの大都は、単なる金物の卸問屋だった。ECを立ち上げた直後は、メーカーと小売店との板挟みの中で、もがく日々だったという。「ECを本格化するために、2代続いた問屋業から撤退する決断をした時は、取引先から『アホちゃうか』と言われたこともあった。その決断があったから今の当社がある」と当時を振り返る山田社長の半生を追った。

■起業マインドVS頭打ち市場

 山田氏は97年、結婚を機に大都に入社した。結婚した相手がたまたま、大都の当時の社長の娘だったからだという。
 それまで山田氏は、広告・人材採用大手のリクルートで、企業に向けて採用サービスの営業を行っていた。営業マン時代から、いつかは起業したいと考えていたという。大都の先代の社長に結婚のあいさつに行った際、先代の社長から「後継者になってほしい」とふいに言われたのだ。「人から求められて経営ができるなら、願ってもないこと」と、迷うことなく大都の後継者になることを決意したとしている。入社するまで、大都がどんな会社かすら知らなかったそうだ。
 大都に入社後、山田氏は、とにかく仕事を覚えて実績を作ろうと考えた。商品知識の勉強と、金物卸の営業に奔走したという。山田氏は、通りがかりで目についた金物の小売店には、必ず飛び込み営業を行っていた。

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