楽天/最短20分で配送/24時間対応、都内4区で開始

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主な取り扱い商品を前に、新サービス開発室・中西勝也氏(右)と配送スタッフ(左)

主な取り扱い商品を前に、新サービス開発室・中西勝也氏(右)と配送スタッフ(左)

楽天は8月20日、注文から最短20分で商品が届くサービス「楽びん」を都内4区の一部エリアで開始した。サービス開始時点の商品数は450点、24時間対応で配送する。商品を積んだ配送車がエリア内を周回しており、注文が入ると最も早く配送できる車両が商品を届ける仕組み。待っている間は15分間隔の配達予定時刻や配送車の現在位置がスマートフォン(スマホ)で確認できる。プッシュ通知で「あと5分」などの状況も届く。配送スピードと受け取りの確実性を向上させるサービスとして今後の利用状況が注目される。

コンビニ、薬局商品が中心
 「楽びん」は渋谷区、目黒区、世田谷区、港区の一部エリアが対象となる。
 スマホの専用アプリから商品を注文する。これまでのECと違い、最初に受け取る場所を選び、次いで商品を選ぶという順で注文を行う。
 アプリが起動するとGPSが動き始める。位置情報が分かるため、何分で届けられるかが判断できる。届け先はエリア内であれば「楽天市場」に登録している住所を指定することもできる。
 商品は酒類、水、インスタント食品、調味料などコンビニで販売しているような商品のほか、ボディーケア、おむつなどドラッグストアで販売しているものが中心となる。このほか、「楽天カフェ」で販売しているスイーツも取り扱っている。
 価格はコンビニ系の商品はコンビニと同程度に設定。ドラッグストア系の商品はそのエリアのドラッグストアの価格に合わせて設定している。
 商品ジャンルには「楽天市場」で人気の健康食品やルームウェアなどを集めた「楽天市場セレクト」や、電球、裁縫道具、入れ歯安定剤などのシリーズ「あって良かった!」も取り扱っている。
 配送車の台数は明らかにしていない。配送車はエリア内の倉庫から適宜商品を補充する。配送会社と組むのではなく、自社車両で運営していく。
 配送車には小型の冷蔵スペースを確保し、冷たい飲料も届ける。
 現時点では楽天が商品を調達して販売する形だが、「このモデルをずっと続けるわけではない。『楽びん』でECの需要が大きいことが分かれば出店者も含めた取り組みも検討していきたい」(新サービス開発室・中西勝也氏)と話している。

受取が難しい人の需要拡大
 商品の受取方法によって送料が変わる。玄関先まで届けてもらうと送料が770円。建物の横に付けた配送車まで受け取りに行くと、送料が390円だが、2500円以上の購入で無料となる。
 高層ビルなどは部屋まで行くと時間がかかるため、少しでも早く顧客に届けられるように送料の設定を分けた。
 「楽天市場」のユーザーに対して行った配送に関するアンケートでは、「日時指定」「お届け事前通知」「日時変更機能」「夜間配達」といった機能やサービスが求められているという。
 配送スピードだけでなく、配達予定時刻の表示や24時間対応でサービスを提供することで、受け取りの利便性を高めてECをより日常的にしていく狙いだ。ターゲットや利用シーンは、(1)一人暮らしで体調不良のとき(2)家事や育児で手が離せないとき(3)自宅でパーティー中に買い出しが必要になったとき(4)会社で残業中のとき119643などを想定している。
 さまざまなニーズを探るため、オフィス街のエリアや、住宅街のエリアも含む4区をサービススタート場所として選んだ。「サービス開始以降、予想を超える反響が来ている」(広報)と言う。
 エリアの拡大時期や場所、送料の変更などは、ユーザーの反響を見ながら検討するとしている。

「楽びん」の配送車と配送スタッフ

「楽びん」の配送車と配送スタッフ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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