ECサイトのメディア化進む/記事広告を配信するケースも登場

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

ECサイトのコンテンツを強化し集客力を高めようとする〝メディア化戦略〟に注力するEC事業者が増えている。商品ページに多彩なコンテンツを盛り込んだり、ライフスタイル提案型のコンテンツをSNSで配信したりすることにより、集客の拡大につなげようとするEC事業者も増えている。一方、ECサイト内で、他社の記事広告の配信を開始することにより、ECサイトのメディア化を本格的に推進しようとする事業者も登場している。背景には、中小のEC事業者にとって、限られたリソース(人材などの資産)の中でコンテンツを強化し続けるのは難しいという現状があるようだ。
メディア化で集客強化
 ECサイトのメディ化を進めるEC事業者は、それぞれのやり方で独自のコンテンツを作成・配信している。
 生活と科学社(本社大阪府、猪ノ口幹雄社長)が運営する生活用品のECサイト「石けん百貨」は、商品に関連する多様な情報をサイトに盛り込むことで差別化に成功している。同サイトの商品ページでは、商品の成分や使用方法などの基本情報を掲載するだけでなく、「スタッフのひとこと」と題したお勧めコメントやクチコミ、レビューといったコンテンツを豊富にそろえている。
 ECサイトとは別に情報サイトも立ち上げている。同サイトでは、せっけんの基礎知識や使用方法、豆知識などのコンテンツを配信。ECサイトと情報サイトを行き来できるように、リンクを貼っている。
 スコープ(本社愛知県、平井千里馬社長)が運営する雑貨のECサイト「scope(スコープ)」は、コンテンツをSNSでも配信することにより、集客力が拡大したという。その取り組みが評価され、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーのソーシャル大賞を2年連続で受賞した。
 同社は、商品の使い方をイメージさせる写真やテキストを作成し、掲載している。商品提案型のコンテンツはSNSとの相性も良く、同社が運営しているフェイスブックページのファン数は32万人以上に拡大している。SNSを通して同社の配信したコンテンツが拡散されることにより、新たなユーザーをサイトに誘導することができているという。

(続きは日本ネット経済新聞 7月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ