EC企業・15年のエイプリルフール企画 /「公用語変更」「合併」など/ 認知度向上に役立つケースも

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 4月1日のエープリルフールにあわせて、企業が「ウソ」のプレスリリースを発信するなど何らかの企画を打ち出すことが恒例になってきている。EC業界でも4月1日、「空気イスを発売」「社内公用語をドイツ語に変更」「プロ野球選手会と合併」など、奇想天外な発表を行う企業が相次いだ(別表参照)。エープリルフール企画を行うことにより、SNSのシェア件数などが増加し、認知度の向上や集客拡大につながったケースもあるようだ。
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 ドクターシーラボは4月1日、「サイト内一部ドイツ語表記変更と社員の医師免許取得・社内公用語変更のお知らせ」とする「ウソ」情報の特設ページを開設した。
 同ページでは、「医師免許保持者とドイツ語を話せる社員を募集」とし、「エントリーはコチラ」といった採用応募と思わせるリンクを設置。リンク先は採用エントリーページではなく同社のECサイトで使えるクーポンプレゼントのページになっていた。同社では「直接的な売り上げ効果は数十万円程度だったが、各SNSなどを介したPR効果は大きかった」(マーケティング部)としている。
 家具通販のベガコーポレーション(本社福岡県、浮城智和社長)では4月1日に「人気のオフィスチェアを世界で初めて完全エア化に成功」とし、実態のない空気イス「AirChair(エアーチェアー)」の発売を発表した。商品説明には「空気の力に身を任せることにより、体脂肪の効率的燃焼を最大限に実現」や「180度までリクライニング可能」「通気性100%!さえぎるものは何もありません!」などとした。同社でもSNSでの拡散など、PR効果は大きかったようだ。
 4月1日に「ウソ企画」として発表し、翌2日に、「本当の企画」として発表したケースもある。
 千趣会は4月1日、「ウソ企画」として一般社団法人日本プロ野球選手会と合併すると発表。合併のいきさつについては「電話等のやり取りにおいて両者を混同するトラブルが多発し、文書等においても変換ミスが散見されるなど、お客さまに対し多大な迷惑をかけてきた。合併によってこの課題を解決できる」などと説明していた。
 翌2日には、千趣会と選手会が4月29日から、千趣会のウェブサイト上で共同企画を実施することを正式に発表した。「野球を通じて〝女性を笑顔にする〟施策をともに展開する」という。
 来年はEC業界にどんな「ウソ企画」が現れるか、今から楽しみだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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