〈ナスタが調査〉 ECの利用頻度向上/宅配ボックスの実証実験で

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 宅配ボックスや住設機器を取り扱うナスタ(本社東京都、笹川順平社長)が福岡市で実施した宅配ボックスの実証実験によると、宅配ボックスを利用した三人に一人の割合でECの利用頻度が向上した。特に20〜29歳の若年利用者で宅配ボックスの効果が顕在化。被験者からは「受け取りのためのストレスがすべてなくなり、ECをより利用しやすくなった」といった声が上がった。
 実験期間は18年11月上旬から19年1月下旬までの約3カ月間。市内の戸建住宅の住居者に対し、計1000台の宅配ボックスを無料配布した。宅配ボックスの設置前後に実施したアンケート調査で効果を検証した。
 実験後のアンケートでは、82.3%の被験者が、荷物の受け取りによるストレスが軽減したと回答(図1参照)。荷物の受け取り頻度として「ほぼ毎日」と回答した被験者では、82.3%がストレスの軽減を実感したとしている。
 ストレスの要素としては「指定日に荷物を受け取れなかった」「時間指定をしたがいつ荷物が届くか分からず困った」「寝かしつけていた子供がドアフォンで起きる」などが上位を占めた。
 ストレスが軽減した場面としては「入浴中」や「トイレ中」が上位を占めた(図2参照)。被験者からは「ちょっとした外出の際や、入浴、就寝中も安心できた」(30代女性会社員)といった意見が上がった。配達を待つ在宅中の行動が制限されているケースも多いようだ。
 被験者の三人に一人が「ECの利用頻度が上がった」と回答。20〜29歳では59.2%が、一人暮らしの被験者では43.4%がECの利用頻度が増えたと答えた。
 被験者の91.4%が「今後も宅配ボックスが必要」と回答した。1回の配達で荷物を受け取りたいというニーズの高さがうかがえる。ナスタは今後、実験結果や被験者の声を商品・サービスの向上や宅配ボックスの課題解決に活用するという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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