〈住宅設備EC〉 大手が市場をけん引/グリーやDeNAも参入

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 住宅設備のECが活発化している。大手EC事業者を中心に売り上げを伸ばしているほか、14年後半以降はグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)など異業種の新規参入も目立つ。住宅設備をネットで注文する消費行動が一般化し始めたことで当面は市場拡大が続きそうだ。一方、中小EC事業者は競合サイトの増加で収益率が悪化しつつある。

 住宅リフォーム・住宅設備のネット通販のビジネスモデルは4種類に大別される。販売から施工まで自社で行う「自社施工型」、商品のみを販売する「施主支給型」、工事業者の加盟店網を構築している「施工店ネットワーク型」、一括見積もりや仲介サイトを運営している「一括見積もり・仲介サイト型」の4種類だ。
 「施主支給型」で最大手のサンワカンパニーは増収増益だ。14年9月期の売上高は前期比29・7%増の68億9900万円、営業利益は同39・8%増の4億7400万円だった。
 「工事店ネットワーク型」で最大手のデジタルアライアンスも急成長を続けている。年商は過去5年で約4倍に拡大。15年3月期の売上高は55億円規模に達するとみられる。
 リクルートグループのホームプロが運営している一発見積もりサイト「ホームプロ」は、業界のリーディングカンパニーとして市場を切り開いてきた。15年3月期の流通額は200億円を超える見通しだ。資本力を武器に積極的な広告を展開して顧客を増やしてきた。


13億円で買収

 市場の成熟とともに異業種による住宅設備ECの買収も活発化している。
 携帯ゲーム大手のグリーは14年7月に住宅設備ECに参入。同年12月には住設ECサイト「リノコ」を運営するセカイエを約13億円で買収した。
 DeNAも14年10月、暮らしやインテリア情報に特化したメディア「イエモ」を買収した。リフォーム会社や工務店などが「イエモ」内で情報ページを作り、ユーザーを自社サイトへ誘導できる仕組みを構築した。
 暮らしの情報に特化したメディアを活用して消費者のリフォームに対する潜在需要を掘り起こし、ECにつなげる戦略だ。

(続きは本紙2月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ