〈食品EC各社〉 受け取り方法が多様化/「置き配」広がり、顧客のすそ野拡大へ

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 食品EC各社が、ユーザーの玄関先や指定した場所で商品を受け取ることができる「置き配」を拡大させつつある。ローソンは3月から、ネットで注文し、店舗で商品をピックアップできる新サービス「ローソン フレッシュ ピック」を始めた。イオンは4月に始めた定期宅配サービスに、玄関先や店頭など受け取り場所を選べる「置き配」を取り入れた。クックパッドは8月末から、ユーザーが指定した場所に商品を届ける生鮮食品EC「クックパッドマート」を始める。生協やヨシケイグループが手掛ける食品宅配業界では古くから、玄関先に商品を置く「置き配」が行われてきた。受け取り方法が多様化すれば、ユーザーのすそ野が広がると各社は期待を寄せる。

■クックパッドは店舗受取りでECを再開

 EC全般で物流コストが大きな課題となる中、食品ECでは採算が合わないという理由で事業の撤退が目立つ。単価が低い食品を販売する企業にとって配送料が大きな負担となっているからだ。商品の受け取りを自宅以外に広げることで配送コストの軽減つなげようとする動きが広がっている。
 クックパッドは食品EC「やさい便」を16年8月にサービスを停止して以来、2年ぶりにサービスを新たにして再参入する。「会社としてECに再チャレンジしたいという方針があった」(買物事業部・福崎康平部長)と話す。商品を協力店舗からピックアップする形を採用することで、レシピの提案、買い物代行、産地支援につなげようと考えていたという。
 クックパッドは、商品を販売したい精肉店や鮮魚店、農家などの生産者を募集し、一定の条件をクリアした店舗が出店している。「スーパーに通うように日常使いしてもらうのがコンセプト」(福崎氏)で、既存の食品ECやネットスーパーと競合しない市場を狙っている。
 クックパッドの強みであるレシピを前面に押し出し、調理に必要な食材をECで購入できる。ネットで注文すると自宅の近隣(10〜20キロ圏)にある店舗にルート配送のスタッフが商品をピックアップし、受け取り店舗で商品が受け取れるようになっている。
 受け取り店舗は、クリーニング店やドラッグストアなどを想定。個別配送のコスト負担や玄関で場所をとってしまう「置き配」の課題が解決できると考えた。「当社が『置き配』ができる店舗を確保すれば解決できる」(福崎氏)と考え、この仕組みを取り入れたという。提携する店舗の来店動機につながることから、双方にメリットがあるとみている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月23日号で)

コープこうべの本部で商品を受け取れる

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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