【17年度版ネット通販増収率ランキング】 4割が商品戦略で成長/SNS・アフィリエイトで送客

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 「日本ネット経済新聞」はこのほど、6月14日発行号に掲載した「ネット通販売上高ランキング(2017年度)」を基に、増収率ランキングをまとめた(表参照)。売り上げ規模別にまとめた上位20位のうち、4割はEC限定商品の展開といった商品戦略を増収要因に挙げた。SNSやブログ、アフィリエイトを活用した、情報発信による送客を増収要因に挙げる企業も多かった。

■モールごとの商品企画

 ランキングにまとめた20社中、8社がEC限定商品の展開や商品拡充などを増収要因に挙げた。売上高30億円以上のランキングで3位の夢展望は、出店するECモールごとに異なる商品企画を展開している。同じタイトスカートでも、「楽天市場」では30代向けに黒色を用いた落ち着いたコーディネートを提案し、自社サイトでは20代向けに花柄を用いたスタイルを紹介した。
 ロフト(本社東京都、安藤公基社長)の18年2月期におけるEC売上高は、前期比70.6%増の10億200万円だった。33%をロフト限定仕様や先行販売の商品による売り上げが占めている。


■SNS連動企画を実施

 ロフトはSNSによる情報発信にも力を注ぐ。ロフト限定仕様のコスメの新商品を展示するイベント「コスメフェスティバル」を14年から年2回、3月と9月に開催している。ツイッターにイベントの様子を投稿した顧客に対し、新商品を進呈している。
 3月10日に同イベントを都内で実施した際には、インフルエンサー40人と一般人百数十人がイベントに参加し、SNSで情報発信した。「『コスメフェスティバル』がツイッターのトレンドワードに上がるなど、大きな反響があった。認知拡大に大きく貢献した」(オムニ販売部・菅野弘太郎部長)とイベントを振り返る。
 フィギュアやプラモデルの製造・販売を手掛ける壽屋は、フェイスブックなどのSNSで、プライベートブランド(PB=自主企画)商品の情報を発信。反響により生産数を調整するなどマーケティングツールとしても活用している。
 増収率ランキング1位の北の達人コーポレーションはアフィリエイトの活用が奏功し、売り上げを大きく伸ばした。今後もSNSを含めたコンテンツからの送客は一つの有効な手段になるだろう。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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