らでぃっしゅぼーや/通販、ドコモ店頭で新規増/シニア市場開拓、対面営業も

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ドコモ限定の「らでぃっしゅセレクション」

ドコモ限定の「らでぃっしゅセレクション」

 食品宅配のらでぃっしゅぼーや(本社東京都、国枝俊成社長)が、新規会員の獲得を加速させている。13年11月に自社配送する宅配のウェブサイトとネット通販サイトを統合。同時にドコモショップでの勧誘活動も本格化させ、新規会員を順調に増やしている。来期には、取り止めていた新聞折り込み広告を再開し、シニア市場の開拓にも着手していく。ドコモショップやECから集客した会員に対し、営業マンによる対面のアプローチを加えることで、定期購入の契約につなげる構えだ。

 「ドコモショップやネット通販での新規会員活動は成果を挙げている」。らでぃっしゅぼーやで新規開拓の責任者を務める佐伯太久弥営業部長は、13年11月から実施している「秋改革」の状況についてこう説明した。
 同社が行った改革は、「食品宅配とECサイトの融合」「ドコモショップによる新規会員獲得」の二つだ。
 食品宅配とネット通販のシステム統合プロジェクトは、NTTドコモにグループ入りした12年8月に着手。ドコモ・システムズ(本社東京都)からエンジニアが出向して対応した。らでぃっしゅぼーやは、過去にも宅配とネット通販との融合を試みてきた経緯がある。しかし、商品を発行の数カ月前に決める「週刊カタログ(元気くん)」をベースにした定期宅配のビジネスモデルだったため、季節の売れ筋や購買データ分析を踏まえて販売商品を入れ替えるネット通販とは融合が進まなかった。
 改革では新規会員獲得策として(1)ネット通販(2)ドコモショップ(3)既存の宅配の集客─の三つを柱に掲げた。
 全国2400カ所のドコモショップでは、約60人の食品宅配の訪問営業マンがショップ支援に回った。店舗のスタッフへの研修を行うことで、説明のスキルを引き上げ会員登録につなげる狙いだ。携帯電話の契約の際に店員が操作する顧客管理システム「アラジン」に「らでぃっしゅぼーやの入会登録」が盛り込まれ、来店客に対し必ず説明を行った。
 開始直後から会員獲得に成果が表われた。ただ、通常は営業マンが約30分かけて説明する内容を、携帯電話契約の際に3~5分で宅配の仕組みを説明するため、安心・安全の食品や定期宅配の仕組みまで理解してもらうのはハードルが高いという課題も出ていた。結果的に、継続利用の苦戦につながり「ショップでの集客=宅配会員」という構図には必ずしもならなかったという。これを踏まえて「ドコモショップに来店する人が、全てらでぃっしゅぼーやに関心を持つわけではない」(佐伯氏)と判断している。
 ネット通販では13年11月から「お試しセット」の販売を始めた。月替わりで商品を選ぶことで、気軽に商品を知ってもらうことに主眼を置いた。検索からの利用が多いこともあり、ランディングページに掲載することで入会につなげた。
 想定外だったのは、訪問して契約した会員とネット完結型の会員の顧客単価の差だ。ネット経由で会員になる人の動向として、資料請求とネット契約の2パターンに分かれる。これまでは、資料請求の場合は、営業マンが消費者宅へ訪問し説明していた。しかし、営業マンをドコモショップに配置したことで、訪問営業の回数が少なくなった。
 「営業マンが自宅でしっかり説明をしている会員の顧客単価と購入回数が高い」(同)ため、これも課題の一つになった。

(続きは本紙1月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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