〈楽天市場〉 他に類見ない店舗間交流/エリア・ネーションズは3.8倍の規模に

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米国に行った「SOYトリップ2018」

 楽天は以前から店舗同士の交流に力を入れている。出店店舗向けのスクールや全国で開催している年次イベントなどで、店舗同士が触れ合う機会を作ってきた。06年からは、優秀な店舗を表彰する「ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」の受賞店だけが参加できる研修旅行「SOY TRIP(トリップ)」を開催。上位店の密な交流は、楽天市場の成長を後押しした。16年には、店舗が店舗を教える「楽天Nations(ネーションズ)」を開始。参加店舗数は17年の350店から、18年には約1350店に急増する見込みだ。楽天は他モールにはない店舗間コミュニティーで差別化を進める。

 楽天は5月、「SOY2017」の受賞者82店を連れて、13回目となる「SOYトリップ2018」に出向いた。今回も前回に引き続き、目的地は米国だった。
 今回で11年連続参加となる白鳩の池上正社長は、「毎回テーマがあり、プログラムが練られている」と話す。
 今回のテーマは「Transformation(トランスフォーメーション)」。ビジネス環境が変化する中、参加者自身を改革し、進化することを目指している。参加者には、「SOYトリップ」の刺激を生かし、自分自身を再定義することを促している。


■フェイスブック訪問

 渡米2日目には、フェイスブックの新社屋を訪問。フェイスブック傘下のインスタグラムのマーケティングマネージャーから講義を受けた。
 2回連続で「SOYトリップ」に参加しているケイ・プロジェクトインターナショナルの薮田恵士社長は、「フェイスブックの新社屋が倉庫のような内装だった点が印象に残っている。大企業でもまだまだこれから発展していくという心意気が表れていた。実際、まだ自分たちは1%しか達成していないと話していた」と振り返る。
 白鳩の池上社長も「私はフェイスブックが、われわれのような外国人にも包み隠さず、社内を見せてくれている寛容さに驚かされた。見られてもまねできないという自信を彼らから感じた」と話す。


■バイバーで交流続く

 渡米3日目にはパワースポットとしても有名なセドナに移動した。自然豊かな場所でチームビルディングを実施。トレッキングでは自分を見つめ直す時間が割かれたという。
 毎夜のように開かれるパーティーで参加店舗は交流を深める。今回はチームごとに楽天グループが提供するメッセージアプリ「Viber(バイバー)」でつながり、帰国後も交流の場となっている。


■参加店1000増

 SOY受賞店でなくても交流の場は広がっている。地域の制限はあるが「エリア・ネーションズ」は絶好の機会だ。
 今年1月の講座数は6講座だったが、7月には18講座に拡大し、10月には45講座まで急増する計画だ。地域を広げ、講座数を増やすことで、18年の参加店舗数は、前年比1000店増と急拡大させたい考えだ。
 「エリア・ネーションズ」の輪が広がることで、地域ごとの楽天コミュニティーはより強固になる。楽天に出店することでコミュニティーに参加できるメリットも生まれる。
 楽天はこれまで、ECコンサルタントが店舗の成長を支援してきた。楽天と店舗の関係性に加え、店舗と店舗の横のつながりが広がることで、楽天市場をより有効に活用できる。
 「ネーションズ」の取り組みは、ECの裾野を広げる可能性も大きい。楽天は「ネーションズ」を今後もさらに進化させたい考えだ。

「エリア・ネーションズ千葉」の様子

「エリア・ネーションズ千葉」の卒業式におそろいのTシャツで参加

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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