特商法の見直し本格検討へ/虚偽誇大広告による契約の取消権も議論

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 特定商取引法の5年後見直しに向け、いよいよ今年、本格的な検討会での議論が、消費者庁でスタートしそうだ。ネット通販関連では、虚偽誇大広告による誤認契約への取り消し権の導入の是非などが議論される見通し。ネット取引に、電話勧誘販売と同様の厳しい規制を入れることを求める声もある。
 検討会の開始時期や委員構成などについては、まだ明らかになっていないが、15年の早い段階で検討会が発足する可能性が高い。
 消費者庁では今回の検討に先だって、14年2月に庁内の勉強会として、法学研究者らを委員とした「特商法関連被害の実態把握等に係る検討会」(山本豊座長、以下勉強会)を発足。計6回の会合で特商法に関する被害実態の把握と論点の洗い出しを行ってきた。本検討会では、同勉強会が14年8月にまとめた報告書がたたき台の一つになると考えられる。
 同勉強会で挙げられたEC関連の論点は主に(1)虚偽誇大広告による誤認契約に取り消し権(2)ネット取引に電話勧誘販売と同等の規制を導入(3)ECモールに一定の役割を負わせる規定を導入(4)通販で欠陥商品を購入した消費者の保護ルールを導入(5)SNSやスマホアプリにオプト・イン規制を導入(6)通販に未成年者保護策─の6点。(1)の取り消し権導入については勉強会でも導入に肯定的な意見が多かったことから、本検討会でも議題に上る可能性が高い。消費者庁内で別途進められている消費者契約法改正の中で、より包括的な取り消し権が導入される可能性もある。
 (2)については、「チャットのような即時性の高い勧誘については電話勧誘販売と同様の規制が導入できるのでは」とする声が、勉強会でも上がった。消費者団体の中には、「たび重なるメールでの勧誘なども対象にすべき」との声もある。
 モールの役割規定の導入や、SNSへのオプト・イン規制導入については、勉強会でも否定的な意見が少なくなかったようだ。

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