オイシックスドット大地/らでぃっしゅぼーやを買収/グループ売上は550億円規模

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 オイシックスドット大地は1月30日、有機・低農薬食品などを宅配やECで展開する、NTTドコモ傘下のらでぃっしゅぼーや(本社東京都、国枝俊成社長)を買収すると発表した。NTTドコモとの業務資本提携に加え、らでぃっしゅぼーやの全株式(取得価額10億円)を取得することで合意。年内にもNTTドコモとオイシックスドット大地による食材とレシピがセットになった「ミールキット」専用のECサイトを立ち上げる計画だ。らでぃっしゅぼーやをグループ化することで、グループの合計売り上げは直近で約550億円の規模となる。
 オイシックスドット大地(オイシックス)は、食品宅配の大地を守る会と経営統合した17年10月ごろから、NTTドコモとの間で、らでぃっしゅぼーやとの協業についての検討を開始。同じNTTドコモ傘下のABCクッキングスタジオなどと共同事業を展開してきた中で、調達や仕入れ、デジタルマーケティングの分野でシナジーが創出できるものと考え、今回の買収に至ったという。
 NTTドコモとの提携により、累計出荷数が合計で800万食を超える「ミールキット」の販売に弾みをつける。年内に、共同でミールキットのECサイトを立ち上げることで、NTTドコモのユーザーに対するアプローチも視野に入れる。ただ、このECサイトには、らでぃっしゅぼーやの参加は決まっていない。
 オイシックスドット大地は23年3月期(22年度)をめどに売上高1000億円、会員数50万人を目標とした中期経営計画を発表。らでぃっしゅぼーやを傘下に収めることで計画達成に向けて進んでいく考えだ。
 らでぃっしゅぼーやの国枝俊成社長をはじめ、NTTドコモから出向してきた役員も2月末で退任する。2月28日には、らでぃっしゅぼーやの新社長にオイシックスドット大地の高島宏平社長が就任する。当面は、経営統合せず、らでぃっしゅぼーやは独立させて事業を継続する。
 NTTドコモは2月に、オイシックスドット大地の第三者割当増資に3%を出資する予定。6月には、NTTドコモからオイシックスドット大地への社外取締役の派遣を計画している。
 有機・低農薬の生産者のネットワークも強化する。両社をあわせて生産者は5100人の規模となり、ドコモとのアグリ領域における協業の検討も進める考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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