特商法の定期購入規制/事業者の対応進まず/「知らなかった」「様子見」の声多く

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ガイドラインで示されたOK表示例

 17年12月1日に施行された改正特定商取引法(特商法)に合わせて、定期購入に関する規制が強化された。総額表示などが義務化されたが、行政が積極的な広報活動を行っていないこともあり、「そもそも規制内容について把握できていない」というケースもまだまだあるようだ。リピートEC事業者の対応はまだ道半ばといえそうだ。

■総額表示ないと処分のおそれも
 消費者庁は17年11月1日、特商法に関する新たな通達とガイドラインを公表、定期購入に関する規制を強化した。通達とガイドラインでは、1回の申し込みで定期購入契約を行わせる場合、定期購入で支払う代金の総額などをECサイトの注文内容確認画面に明示(=写真参照)していないと、特商法違反に当たり、指示処分を受ける可能性があることを明確に示した。
「急すぎて完全には対応できていない」の声

■「急すぎて完全には対応できていない」の声
 事業者の対応状況はどうか。EC会社10社に取材したところ、「もともとの表示から変更を行う必要がなかった」という事業者も一部あったが、それ以外は、対応があまり進んでいないのが現状のようだった。「規制への対応に向けて準備を進めている途中」という企業が多かった。
 クラフトビールの定期購入通販を手掛けるヤッホーブルーイングでは「ビールの『年間契約』という形で定期購入通販を展開しているが、以前から、総額表示と、契約期間の明示は行っている。自動継続契約ではなく、都度再契約を確認している。もとから特商法に準拠している」(広報)と言う。
 一方、大手化粧品通販会社A社は未対応。通販型で水宅配を展開するB社も「発表から施行までのスパンが短すぎて、まだ完全には対応ができていない。ただ、11月以降から順次対応を進めている」としている。
 ただ、匿名を条件に取材に応じた複数の健康食品のリピートECを展開する事業者からは「(定期購入の規制について)そもそも知らなかった」(スムージー通販会社)、「利用しているカートシステムでは、総額表示をする場所がなく対応できず困っている。システム会社と相談している段階」(中堅化粧品通販会社)といった声も聞かれた。そのほか、中堅テレビ通販企業や、大手食品メーカーで健食通販を手掛ける企業では「他社さんの状況を見ながら様子を見る」としていた。事業者の対応はお世辞にも進んでいるとはいえない状況だ。

■健食エキスパートが特商法所管する部署に
 そんな状況を行政が放置するかについては、懐疑的にみる識者もいる。元行政官で健食業界に詳しい渥美坂井法律事務所の齋藤健一郎弁護士は「消費者庁は定期購入に関する特商法の執行に対し、かなり積極的なのではないか」と話す。
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月25日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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