大きいサイズの衣料品EC/大手本格参入で競争激化/大きくても、おしゃれ訴求で差別化

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02年に開設した坂善商事のECサイト

 大きいサイズの衣料品のECを強化する事業者が増えている。紳士服のはるやまホールディングス(HD)は今年11月、大きいサイズを取り扱う「フォーエル事業」を強化するため、ビッグサイズの衣料品を取り扱う2社を子会社化した。AOKIは今春から、ビッグサイズ事業を第三の柱とする成長計画を進めている。こうした大手が本腰を入れる一方で、従来から大きいサイズを強みとしてきた坂善商事は来年2月に、大きいサイズでもデザインにこだわった商品を販売するセレクトショップ型のECサイトを開設する。

 大きいサイズの商品展開を巡る動きが近年活発だ。
 はるやまHDは11月15日、大きなサイズの衣料品卸売りを強みとするマンチェス(本社岐阜県、上田佳宏社長)と、その関連会社でEC事業を行うミッド・インターナショナル(本社岐阜県、上田佳宏社長)を子会社化した。ビッグサイズ市場のシェアを拡大し、EC化の流れに対応していく考え。「ビッグサイズ商品の売り上げは伸びており、2社を傘下に加えたことで将来的にも期待している」(はるやまHD・広報)と話す。
 実店舗「大きいサイズの店フォーエル」の数を96店舗(10月末時点)に拡大しており、今年8月には大きいサイズでは初の専門ECサイトを開設した。
 青山商事もビッグサイズやスモールサイズを専門的に取り扱うページをECサイト内に設けており、「特殊サイズのEC売り上げは2桁成長に届かないものの、増収傾向を維持している」(青山商事・広報)。今のところ専門の実店舗を出す予定はないが、「ネットで選んで、実店舗で試着し購入する仕組みを確立していく。今後も力を入れていく分野だ」(同)と話す。
 AOKIでは今春から、大きなサイズの事業を第三の柱とする計画を進めている。大きなサイズ専門店「Size MAX(サイズマックス)」の店舗数を拡大し、ECと連動しながら売り上げ拡大を目指すとしている。


■「ノウハウ必要な難しい分野」との声も

 ニッセンが展開するぽっちゃり女子向けの衣料品ECサイト「スマイルランド」では、ボトムスを中心に売り上げが伸びているという。08年に発売した「股ずれ防止パンツ」は販売本数20万本を超えるロングセラー商品となっている。現在、実店舗も8店舗展開しており、顧客の声や悩みをじかに収集して商品開発に生かしている。
 「いわゆるぽっちゃり女子はこれまでメンズサイズを着ていることも多く、市場は小さかった。これに対し、スマイルランドは低価格でおしゃれな商品を打ち出している。お客さまが必要とする商品を提供していけば市場は大きくなる」(ニッセン・広報)とみている。ただ、「着られる服ではなく、着たい服を提供することが大切。ノウハウが必要となり、新規参入するには難しい分野と言える」(同)と指摘する。
 

■セレクト型ECサイト開設
 
 大手企業がビッグサイズに力を入れる中、従来から大きいサイズを強みとしてきた企業には差別化戦略が求められる。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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