【ステーブルコインのＥＣ活用】日本円建ＪＰＹＣが拡大／ＥＣの利益率改善にも寄与（2025年12月11日号）

　２５年１０月２７日、日本の決済インフラのあり方を変えるかもしれない動きがあった。日本円建ステーブルコイン（※参照）「ＪＰＹＣ（ジェーピーワイシー）」の発行が正式にスタートしたのだ。「ＪＰＹＣ」は、「発行・償還の手数料が無料」「即時に送付・受領が可能」「グローバル対応が可能」「送金手数料は１円未満」─といった優れた特徴を備えており、ＥＣとの相性も良さそうだ。すでにＥＣ事業者の間でも、「ＪＰＹＣ」を決済手段などとして組み込む動きが出始めている。これまでの銀行振込やクレジットカード決済の常識を覆す、新しい決済手段は、ＥＣ業界に大きな変革をもたらす可能性がある。

１ＪＰＹＣ＝１円

　世界的にはステーブルコインのＥＣ活用が進んでいる。「Ｓｈｏｐｉｆｙ」では２５年６月から、ドル建ステーブルコイン「ＵＳＤＣ」での支払いへの対応を始めた。
　日本では、２３年の法改正により、「電子決済手段」としてステーブルコインを発行できるようになった。法改正を受け、ＪＰＹＣ（本社東京都）は２５年１０月２７日、初の日本円建ステーブルコイン「ＪＰＹＣ」を発行した。発行の裏付け資産は日本円（預貯金および国債）。「１ＪＰＹＣ＝１円」で固定するように設計されている。送金手数料も１円未満と格安なのだという。暗号資産と異なり、会計上は「現金」としての処理が可能。「ＪＰＹＣ」から日本円に償還する際の手数料も無料なのだという。


■手数料負担が極小化

　カード決済などでは、一定の手数料が発生する。「ＪＰＹＣ」での決済なら、送金の際の少額の手数料しかかからないため、手数料負担を極小化できる。随時日本円に償還することも可能だという。
　ＪＰＹＣによると、

（続きは、「日本ネット経済新聞」１２月１１日号で）