日本企業が海外ユーザーに向けてライブコマースを行う「越境ライブコマース」が盛り上がっている。日本企業の海外進出を支援する一般社団法人国際ビジネス連結機構(事務局東京都、松浦啓介代表理事)が実施した越境ライブコマースでは、わずか15分間で1000万円を売り上げた実績も出ている。アジア圏ではライブコマースでの販売が一般化しており、越境ECにおけるライブコマースの可能性はさらに広がりそうだ。
国内のライブコマースを見ると、ユニクロは22年9月~23年8月の年間累計視聴者数が1000万人を突破し、ニトリは24年3月末時点で累計視聴者数が633万人を超えたという。その他の企業でも視聴者数は増えていても、なかなか売り上げにつながらないケースが多いという。
一般社団法人国際ビジネス連結機構は設立してまだ間もないが、すでにライブコマースを数多く実施しており、配信企業の商品の販売が好調だという。国際ビジネス連結機構では、台湾、ベトナム、マレーシアなどの有名インフルエンサーを日本に招き、日本から海外に向けてライブコマースを実施している。ライブコマースで買い物をすることに慣れている海外ユーザーへ日本の魅力的な商品を配信することで、販売数が順調に推移しているようだ。
今年5月、台湾の人気インフルエンサーである菜菜子(ナナコ)によるライブコマースイベントを開催した。化粧品の原料研究開発やOEM、自社ECサイトでサプリメントなどを販売する銀座・トマトでは、菜菜子が商品を効果的に紹介したところ、15分間で1000万円を売り上げた。ライブコマースのイベントを開催した3日間で累計3000万円を売り上げたという。
売れている要因には、主に(1)菜菜子による販売テクニック(2)商品力(3)確かな効果(エビデンス)(4)エンタメ要素─などがあるという。
菜菜子は視覚に訴えるデモンストレーションに秀でており、同機構の上田直之理事は、「美白化粧品を紹介するとき、実際に現場にいた私を呼び、顔の半分だけ化粧品を塗って、時間が経ったら落とさせた。『その白さがこんなに長引いてる』と視覚に訴えかけて販売につなげていた」と話す。
9月には、
(続きは、「日本ネット経済新聞」10月9日号で)
【越境EC】ライブコマースに商機/15分で1000万円販売の実績も(2025年10月9日号)
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