メンズコスメ市場が拡大している。「Nint ECommerce(ニントイーコマース)」のデータによると、大手ECモールでは21年から24年にかけて、メンズスキンケア市場が年々、拡大している(グラフ参照)。男性の美意識の変化を背景に、男性向けのスキンケアなどのコスメが続々と販売されている。男性は比較的、気に入った商品やブランドを長く愛用する傾向があるという。そんな男性の消費傾向を踏まえ、有力なメンズコスメブランドは効果的にリピーターの育成に成功している。
■お試し後の架電が鍵
サントリーウエルネス(本社東京都、栗原勝範社長)が展開する男性用スキンケアブランド「VARON(ヴァロン)」を初めて購入した人のうち、2回目のリピート購入をした人の割合は、94%に達するという。「10日間お試しセット」の購入後の電話接客が奏功し、定期購入につながっているという。
24年12月期の同シリーズ全体の売上高は、前期比50%増の48億円を達成した。今期は56億円の売り上げを見込んでいる。
「VARON」の「10日間おためしセット」を購入してから約1~2週間後の顧客に架電し、スキンケアを始めてからの変化を質問している。「まだ変化がない」という顧客にも、さらに質問を深掘りし、周囲の反応などを訪ねている。すると「子どもや妻からスキンケアを始めたことを驚かれた」という声を聞くことが多いという。「周囲からの反応そのものが変化なので、もう少し続けてみないか」と提案し、定期購入につなげている。
さらに同社のコールセンターでは、「肌悩み」に応じて、適切なケアの方法を提案しているという。女性にとっては当たり前のスキンケアの知識であっても、初めてスキンケアをする男性にとって分かりやすい方法で、丁寧に伝えるようにしている。
「購入後のなるべく早い段階で、スキンケアの効果を実感してもらえるように意識している。『10日間で変化を感じられた』という声も届いている」(スキンケア部・西山雅大氏)と話している。
■”お得な機会”を通知
クリシェ(本社広島県、原弘幸代表)は、「楽天市場」や「アマゾン」など大手モールを中心に10年以上、メンズコスメを展開している。一番の売れ筋商品は男性向けのオールインワンゲルだという。
(続きは、「日本ネット経済新聞」7月10日号で)
【メンズコスメのリピート獲得術】リピート率94%も/「VARON」は”電話接客”で売上50%増(2025年7月10日号)
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