【大都とギャレリア・ニズム】年商100億円を射程圏内に/共通項は自社物流拠点を構築(2025年5月22日号)

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EC物流センターを兼ねたギャレリア高崎柴崎店

EC物流センターを兼ねたギャレリア高崎柴崎店

 年商数十億円規模の有力ネットショップの破産が相次いでいる。そんな中、差別化しづらい仕入れ商品をECで販売しながら、年商100億円を射程に捉えている中堅EC企業が2社ある。工具やDIY用品の大都(本社大阪府、山田岳人社長)と、バッグのECを運営するギャレリア・ニズム(本社群馬県、長野哲士社長)だ。両社は、直近1年以内に、本社所在地の近隣に、自社物流拠点を構築した点が共通している。2社とも、物流拠点の構築が、売上高の拡大と、利益の確保につながっているようだ。

■取り扱い点数拡充で成長

 大都の24年12月期の売上高は、前期比13.0%増の84億6000万円だった。24年12月期中は、24年に、能登半島や宮崎県で地震があったことなどから、楽天市場やアマゾンを中心に、防災用品が売り上げを伸ばしたそうだ。
 23年2月に立ち上げたB2B―ECサイト「トラノテ」も好調だという。
 大都では、商品やサービスの需要に応じて自動で価格を変動させるダイナミックプライシングの仕組みを導入している。他社に比べた際の安さで勝負するのではなく、利益を生み出せる価格帯を提示。商品点数やリードタイムで、ユーザーにメリットを提供できるようにしているという。
 大都では25年12月期についても、現在のところ増収増益を見込んでいる。
 一方、ギャレリア・ニズムは、ブランドバッグからスポーツバッグ、旅行カバンまで、あらゆるジャンルのバッグを扱うECを展開している。24年8月期の売上高は前期比3.2%増の72億6100万円だった。
 同社は、04年のEC開始当初から堅調に増収を続けている。
 ギャレリア・ニズムも、25年8月期の業績は、増収増益ペースで進捗しているそうだ。
 大都とギャレリア・ニズムの共通点として、品ぞろえの拡充が成長の要因の一つになっていることが挙げられる。
 大都が「トラノテ」で扱っている商品点数は、約390万点(24年9月時点)だが、そのうち、当日出荷ができる商品は36万点に及ぶという。
 ギャレリア・ニズムの、25年5月時点の取り扱いブランド数は、396ブランド。17年比で2.6倍に、取り扱いブランド数が増えたのだという。取り扱いアイテム数は同96%増の1万2795品目となっている。


■物流内製化で変動費を抑制

 大都とギャレリア・ニズムはどちらも、24年中に、物流倉庫を内製化し、自社で商品の保管・発送をできる商品点数を大幅拡充した。こうした点が、大きな成長要因となっていることも両社に共通しているようだ。
 ギャレリア・ニズムは24年6月、

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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