アベルネット16年2月期/売上高は16.5%減/低価格商品の仕入数減少で

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 家電ECサイト「PCボンバー」を運営するアベルネット(本社東京都、小山励基社長)の16年2月期売上高は、前期比16・5%減の140億8300万円だった。主力となる低価格商品の仕入れ数減少が減収要因となった。ただ、実店舗からの撤退や物流コストの削減などで、営業利益は同41・4%増の2億1500万円だった。
 アベルネットは家電量販店などが抱えている在庫品を仕入れ、格安で販売して成長してきた。近年はメーカーが商品製造数を絞り込んでいるため、家電量販店は限られた在庫を確保。同社の仕入れ商品が減少している。
 これに対処するため、仕入れ業務の改善を進めている。スマホの液晶シートなど家電本体に関連した商品の取り扱いを強化。15年5月に約700品目だった商品数は、今年5月に約2000品目に拡充。売上総利益率が高い自主企画商品の取り扱いも検討している。
 事業の効率化にも取り組んでいる。15年5月までに、全国5カ所で展開していた店舗を閉鎖。店舗があった場所は、商品の保管や発送拠点として活用している。
 従来、各店舗が店舗の運営と仕入れを行い、地方で仕入れた商品は東京の営業所に集約していた。地方在住の顧客には最寄りの拠点から商品を発送する仕組みに変更。配送コストの削減を図っている。
 昨年7月には、都内・秋葉原の本社を移転。移転先には店舗を設けず、ECサイトの運営業務だけを行っている。店舗のスタッフはEC業務に専念。大型家電の取り付け設置など、付帯サービスを強化している。
 自社サイト以外に現在、「楽天市場」「ヤフーショッピング」などモール店4店を展開。モールによって顧客層が異なるため、適正価格で販売することに取り組んでいる。今期(17年2月期)の売上高は前期比横ばいを見込んでいる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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