25年の食品EC業界はどうなるのか。コロナ後の消費者のオフライン回帰に加え、原材料高騰の問題が事業者を悩ませている。消費者の財布のひもは固くなっており、簡単に原材料高騰分を販売価格に転嫁することは難しい。食品EC企業はどのように直面する課題を攻略しているのか。有力企業の取り組みから突破口を探る。
食品ECを手がける企業からは、「ECだけでの成長は難しい」「原材料高騰、仕入れ困難に悩んでいる」という声が上がっている。食品は必需品のため、比較的購入されやすいジャンルではあるが、消費者の外出増加や節約志向の高まりなどにより、ECで購入されにくくなっているようだ。
原材料高騰問題に対して事業者はどのように対応しているのだろうか。原材料によっては、天候不順や後継者不足などにより、生産数が限られているものもある。そのため、必然と仕入れ値の高騰、仕入れ数の減少という問題が生じている。
ショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を放送するジュピターショップチャンネル(本社東京都、小川吉宏社長)においても、「ある特定の青森のりんごは生産数が限られてきており、当社としてもりんごを使用した商品を開発したいため、一定の量を仕入れることができるよう交渉している」(マーチャンダイジング本部 マーチャンダイジング3部エレクトロニクス&フード&アザーズグループバイヤー 清水香純氏)と現状を話す。
■企画内容で打開
ジュピターショップチャンネルは、新企画や新商品で原材料高騰問題に対応している。同社では、その日のお薦め商品を特別価格で提案する番組「ショップスターバリュー(SSV)」を放送しているが、それだけでは成長が続かない。有名シェフとコラボレーションした商品を販売したり、地域復興を支援する特別番組などを放送して、売り上げ拡大につなげている。
女性誌で最多の発行部数を誇る「ハルメク」を発行するハルメク(本社東京都、宮澤孝夫社長)は、顧客の二極化が進んでいることを実感しているという。物販ビジネスユニットカテゴリーマネジメント本部食品マネジメント課の橋本幸恵課長は、
(続きは、「日本ネット経済新聞」3月6日号で)
【25年の食品EC展望】 原材料高騰が打撃に/企画、セット商品、内製化で難局打破(2025年3月6日号)
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