【”購入ハードル”低下へ】 積立やレンタルで高額商品の販売促進(2024年6月6日号)

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積立購入ECサイト「Respo」

積立購入ECサイト「Respo」

 ECサイトにおける新規顧客の獲得が難しくなり、コロナ後のリアル回帰も進む中で、高額商品をECで販売するハードルは高まりつつある。そんな中、新たな購買や利用の選択肢を提示し、購入のハードルを下げる動きが出てきた。家電や家具などの高額商品を販売する事業者が、毎月一定金額を積立てることで商品をお得に購入できる「積立購入」を活用したり、レンタル機能を導入して商品を試してから購入できるようにしたりしている。節約志向が進む消費者の財布のひもを緩める新たな販売手法を取材した。

■積立購入ECを活用

 大手家電メーカーや家具販売事業者などが、積立購入のECサイト「Respo(リスポ)」に商品を出品し、販売促進を図っている。
 「Respo」は毎月一定金額を積立てることで、商品をお得に購入できるマーケットプレイスだ。24年1月にサービスの提供を本格開始した。ユーザーは購入したい商品を選択し、「月々いくら積立てるか」または「何カ月間積立てるか」を決める。積立てが完了すると商品が手元に届く仕組みだ。
 「Respo」を運営するリスポ(本社東京都)の黍田龍平社長は、「『Respo』は商品が手元に届くのは積立購入後。さらに月額費や手数料もかからないため、ユーザーは気軽に負担なく利用を始めることができる」と話す。
 「Respo」の最大の魅力は高額商品との相性が良いことだ。
 「例えば子どもの進学により、来年、高額な商品が必要になるとする。そのとき将来を見越して早い時期から積立購入を利用すれば、現在の家計をそこまで圧迫することなく、計画的に高額な商品を購入できる」(黍田社長)と話す。
 「Respo」を利用する企業からは、「購入を検討している顧客にクーポン発行以外の有効な囲い込みの手段がなかった」という声が上がっていた。購入意欲がある見込み客を取り込む手段としても「積立購入」が有効だと感じたようだ。
 ほかにも「ただでさえ購入ハードルが高い高額商品だが、円安などの影響でさらに価格が高騰している。購入ハードルを下げるために『積立購入』という仕組みは、これから使われるサービスだと思った」という声も寄せられているという。
 現在は「Respo」のサイトに訪れないと消費者は積立購入を利用できないが、

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月6日号で)

リスポの黍田龍平社長

リスポの黍田龍平社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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