【変化する菓子通販商戦】「高級」「推し」が台頭/「自分へのご褒美品」開発に注力も(2023年3月9日号)

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販売第一本部・中淵敏晃本部長

販売第一本部・中淵敏晃本部長

 菓子通販事業者はバレンタイン商戦の動向を踏まえて、今後のシーズンイベントや来年のバレンタイン商戦の販売戦略を大きく変更する必要が出てきそうだ。今年のバレンタイン商戦では、「高級チョコ」「推しチョコ」「オフライン活性化」のような、購入目的と購入場所の変化が目立った。複数の菓子通販事業者はシーズンイベントにおいて、今後も「自分へのご褒美品」としての購入は続くと予想している。その中でも、少し高級感を加えたり、推し(応援している有名人やキャラクター)に関連した商品を食べられる商品開発に着手していく。有力事業者のバレンタイン商戦の振り返りと今後の事業戦略をまとめた。

 オンラインギフトサービス「Giftmall(ギフトモール)」が運営するギフトモールオンラインギフト総研を始め、多くの企業がバレンタイン商戦の調査レポートを発表している。各レポートによると、今期のバレンタイン商戦は、「脱・義理チョコ」「脱・本命チョコ」が加速したという。代わりに「高級チョコ」「推しチョコ」を自分用に購入する人が増加した。


■オーダーメードに勝機

 バレンタインはチョコなどの洋菓子だけではなく、和菓子を購入する人も多い。ある和菓子D2C企業は「オーダーメードの和菓子」に手応えを得た。「呪術廻戦」「スラムダンク」のようなヒットした作品を受け、アニメキャラクターをデザインした商品を開発している。
 「娘との会話が、オーダーメードの和菓子を作るきっかけになった。実際に今期のバレンタインでも多くの注文を獲得することができた」(和菓子D2C企業代表)と振り返る。
 同社は今後も、オーダーメードの和菓子を作れる企業として、まずは既存顧客の利用促進に努める。母の日や父の日などのシーズンイベントに家族写真をプリントした商品を作ったり、犬の写真をプリントした犬用和菓子などを開発していく方針だという。
 「ウェブ広告などを使用して、一気に認知を広げると、他社に真似される恐れがある。まずはメルマガ配信を通じて、既存顧客に新しい取り組みを知ってもらい、利用につなげていければベストだ」(同)と話す。


■「実店舗」売上が急伸

 洋菓子ブランド「アンリシャルパンティエ」を展開するシュゼットホールディングス(HD)や、洋菓子ブランド「ヴィタメール」「アンテノール」を運営するエーデルワイス(本社兵庫県、比屋根祥行社長)は、今期のバレンタイン商戦は、実店舗の売り上げが急伸したという。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月9日号で)

1箱に複数のブランドを詰め合わせたサブスクサービスを開始

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ホワイトデーは自分用としての購入も目指す

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