店舗スタッフが商品の着用画像などを投稿する「スタッフコンテンツ」は近年、ECサイトにおいて最も活性化したコンテンツだと言っても過言ではない。盛り上がりを見せる「スタッフコンテンツ」だが、投稿スタッフを評価する仕組みを逆手に取り、コンテンツを乱発することで、ユーザビリティーが低下するという問題も一部で生じている。大流行で見えてきた課題や対策について分析する。
アパレルECサイトで、自社のアイテムを着用した店舗スタッフの画像をよく見かけるようになった。コロナ禍で実店舗の営業がままならない中、店舗スタッフがECサイトやSNSに自社のブランドの着用画像を投稿し、ネット購入を促していた。
実店舗の営業が制限され、本来の業務である接客サービスを提供できない店舗スタッフを有効活用できる点が普及の起爆剤になった。身長や体型が異なるさまざまなスタッフが投稿するコーデ画像は、モデルの着用画像とは異なり、ユーザーにとっても着用イメージが湧きやすく、購入を後押しする効果が高いようだ。
「スタッフコンテンツ」はアパレル業界にとどまらず、さまざまな業界で応用が進んでいる。スタッフのノウハウや知見を活用したECサイトのコンテンツ拡充は、実店舗を展開する小売企業の”当たり前”になりつつあるといえるだろう。
■ツール台頭が背景に
「スタッフコンテンツ」の普及は、ツールの台頭の影響も大きい。コロナ禍前から、「STAFF START(スタッフスタート)」や「visumo(ビジュモ)」などスマホでスタッフコンテンツを手軽に投稿でき、ECサイト上で商品データとのひも付けもできるツールが登場していた。
特に「STAFF START」は「スタッフコンテンツ」経由のECサイトでの売り上げなどを可視化する機能が充実している。コロナ禍で店頭に立てないスタッフが「スタッフコンテンツ」を投稿することによるECサイトへの貢献度を明確にすることで、スタッフの評価に「スタッフコンテンツ」への取り組みを反映できるようになった。
■評価狙うスタッフも
「スタッフコンテンツ」が流行する中で、導入企業に新たな課題も出てきているようだ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」3月31日号で)
〈大流行「スタッフコンテンツ」に変化の兆し〉 評価制度の悪用も/意義の浸透、運用方法の工夫が重要(2022年3月31日号)
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