【訪販営業支援〜8人が語る「営業のメソッド」〜】感動セールスサポート 林佳範 社長/お客のセカンドウォンツ引き出すことが大切

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林佳範 社長

林佳範 社長

 平均契約率が30%程度ともいわれるフィットネス業界で、年間契約率96%超、105人連続契約という劇的な営業成果を挙げた実績を持つのが、感動セールスサポート(本社大阪府、(電)06―6923―9231)の林佳範社長だ。林社長は実績を基に独立、多くの企業の営業支援で成果を挙げている。支援した企業の中には、月間契約者数が倍増した企業や、月間の即日契約者数が7倍に増えたという企業もあるという。林社長は、営業で実績を挙げるにあたっては「型を作ること」「お客さまのセカンドウォンツを引き出すこと」などが大切だと話す。林社長に話を聞いた。

 ーーー林社長が営業の世界に関わったきっかけを教えてください。

 林 20歳で体育専門学校を卒業したのち、全国展開する、とあるフィットネスジムチェーンへの就職を志し、不合格になったことがそもそものきっかけです。悔しいので、アルバイトとしてひとまずその会社で働かせてもらい、正社員への登用試験にチャレンジすることにしましたが、その後採用試験に2度失敗。2年で計3回落ちた計算になります。そんな折、会社から、アルバイトスタッフ3人でセールス専任のチームを作るので、そのリーダーにならないかという話をいただきました。当時、国内のフィットネス業界で、セールス専任スタッフを置いている企業はありませんでした。営業は未経験でしたが、「楽勝だろう」と高をくくり、その話を受けることにしたのです。

 ーーー実際はどうでしたか。

 林 全然結果が出ませんでした。上司にやり方を教わりながらやるのですが、まったく契約につながらなかったのです。悔しいので、うまくいっている営業マンがどうやって契約をとっているのかを観察に行くことにしました。休みの日に、見学体験がある結婚式場や、新築マンションを販売する不動産会社、不動産賃貸会社などを回り、ノウハウを盗みとろうとしたのです。不動産会社だけで100店は回ったと思います。並行して、ビジネス書を読み漁りました。ビジネス書を1日1冊読むことを自らに課し、読んだ内容を翌日の営業で実践するのです。それを1年間続けました。私にとっては、すべてが教科書でした。例えば、大道芸人からも多くのことを学びました。大道芸人にも、稼ぎのよい人とそうでない人がいます。さまざまな大道芸人のトークを録音して、その差はどこで生まれるのかを必死で観察したのです。

 ーーーどんなことが分かりましたか。

 林 「お客さんの動かし方」が分かりました。結局大道芸人は、お客さんがどれだけ前に食いついて見てくれるかで、その日の収益が大きく変わってきます。クロージングの成否が、実は芸が始まる前にほぼ決まっているのです。わりとうまく収益を上げられている大道芸人は、最初にロープで境界線を引き、「ここまで来てください」と言っていました。そして、一番たくさん収益を上げていた大道芸人は、銀の小さなスプーンを使っていました。スプーンで床をコンコンと叩きながら「本日の芸は、このスプーンが見える位置でないと楽しめません。ぜひ見える位置までどうぞ」と言うのです。そうすると、お客さんがこぞって前に詰めかけるのです。お客さんに、「動く理由」を与えてあげれば、お客さんは動くのだということを知りました。こうして得た知見は、営業現場でどんどん使っていきました。

 ーーーその結果、どうなりましたか。

 林 知見を基に営業の「型」を改良していったところ、営業成果がどんどん上がるようになりました。ほどなくして年間契約率96%超、105人連続契約という結果を得ることができました。この記録は、いまだに抜かれていません。会社からは「正社員に」というありがたいお言葉をいただきましたが、「日本にこの『型』を広めたい」という思いから、独立をすることにしたのです。

 ーーー営業支援の実績について教えてください。

 林 当社が営業支援を行った会社では、劇的な成果が続々と上がっています。あるジムでは、月7人だった即日契約者数が、50人になりました。全国展開するあるフィットネスクラブでは、27%だった契約率が90%にまで跳ね上がりました。

 ーーー異業種への応用も可能ですか。

 林 もちろんです。実際に、私が講演や研修、コンサルティングを行う企業には、フィットネスと無関係の企業も多いのです。支援を行ったある不動産会社では、3500万円超の物件が次々と完売するようになりました。ある結婚式場では、見学者の契約率が20%から78%に急上昇しました。それ以外にも営業成果が大きく向上する事例が多数生まれています。営業と名の付く仕事ならば、どこでも応用は可能です。

 ーーー具体的なノウハウを教えてもらえますか。

 林 営業の実績をアップさせるノウハウは著書にまとめましたので、詳しくはそちらを見ていただきたいと思いますが、かいつまんでポイントだけをご説明しますと、例えば、営業において大切なことの一つに「セカンドウォンツを引き出す」ことがあります。お客さんに「今すぐ欲しい!」と思ってもらい、即日即断を促すためには、お客さんに「これなら自分の願いが叶えられる」と思ってもらう必要があります。そのため、多くの営業マンが、お客さんの悩み・願望を聞き出そうとしていると思いますが、聞き出せているつもりでも、実は「偽物の悩み・願望」ということが往々にしてあるのです。
 例えば、不動産屋がお客さんに「なぜ引っ越しをするのですか」と聞き、お客さんが「通勤時間を減らしたくて」と答えたケースを考えてみましょう。実は「通勤時間を減らしたい」というのは表面上の理由で、「満員電車が嫌」が本当の欲求(セカンドウォンツ)だったりするのです。このお客さんにいくら通勤時間の短くなる物件を紹介しても、満員電車に乗らざるをえないエリアであれば、成約には至りません。セカンドウォンツを引き出す必要があります。
 また、お客さんのセカンドウォンツは一つではありません。複数あるのです。それを同時に満たす必要があります。複数のセカンドウォンツを効率的に聞き出すためには、アンケートなどを活用するのが効果的です。当社のコンサルティングでは、セカンドウォンツを聞き出す方法なども含め、その会社に合った、営業の「型」を作っていきますから、業種を問わず、成果を生み出すことができるのです。

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