【健康経営の秘訣 〈興和工業所〉】 健康経営優良法人に認定/日本トリム整水器を社員の2割が自宅に(2021年9月16日号)

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給湯室の給茶機に電解水素水を使用している

給湯室の給茶機に電解水素水を使用している

 金属のめっき加工事業などを展開する興和工業所(本社愛知県、六車壽夫社長)では、20年から2年連続で、経済産業省が主導する「健康経営優良法人 大規模法人部門」の認定を受けている。同社の健康経営の取り組みの一つに、日本トリムの電解水素水整水器の、本社や工場への設置がある。整水器の設置が、興和工業所の従業員の健康意識の向上に役立っており、全従業員1000人のうち、200人以上が、自宅にも整水器を導入している。


■給茶機に水素水充填

 興和工業所は、金属加工の総合エンジニアリング企業。「溶融亜鉛めっき」など、金属表面処理を得意としている。建設資材や電柱の部品などのめっき加工を行う工場や機械加工工場を、愛知県内に12カ所、三重県内に1カ所の合計13カ所を展開している。約1000人の社員と、派遣社員400人が業務を行っている。
 興和工業所が「健康経営」を目指したのは、六車謙一会長の「会社を維持するには社員が健康であることが一番」という考えを強く意識していたからだという。
 約20年前に、日本トリムの整水器を初めて工場に設置。以来、増設を繰り返してきた。今では、本社や工場の給湯室などに、合計20台の整水器を設置している。給湯室では、給茶機専用の水ボトルに、電解水素水を充填している。お茶を飲んだりお湯を使ったりする際に、電解水素水を使いやすいようにしているのだ。
 興和工業所は、日本トリムの職域販売のデモンストレーションも積極的に受け入れている。日本トリムのデモンストレーションは、「会社が従業員の健康を考えた健康経営に取り組んでいる」ということを、従業員に周知徹底する機会にもなっているという。
 従業員のうち200人以上が、すでに整水器を自宅に導入しているという。デモンストレーションや、工場の整水器の使用感に満足し、自宅への設置に至るのだとしている。自宅に整水器を導入した社員は、家族で水素水を飲んだり、料理をしたりする際に使っているという。


■健康を数値で表す

 興和工業所が「健康優良法人 大規模法人部門」の認定を受けたのは、「業務」「生活習慣」「フィジカル」「メンタル」など、さまざまな視点から、従業員の安全・健康をケアしてきたからだという。めっき加工の現場では、真夏に屋外で作業することもあり、熱中症のリスクが発生しやすかった。従業員の高齢化が進んでおり、生活習慣病のリスクを抱える従業員も増えているという。
 そうしたさまざまなリスクに対応するため、電解水素水整水器の導入をはじめとした対策を行い、「健康優良法人 大規模部門」の認定を受けたのだとしている。
 興和工業所で「ホワイト企業」推進を主導する、総務部総務課の後藤課長は、「健康経営をさらに推し進めるためには、社員の健康を数値で把握する必要がある。健康意識の低い従業員に、数字を見せながら説明すれば、健康意識の向上につながる可能性がある。日本トリムの電解水素水は、健康状態の改善を数値化する上で、良い影響をもたらしていると思われる」と話している。


■全国平均より9%低い医療費

 興和工業所が加盟する愛鉄連健康保険組合(所在地愛知県)ではこれまで、加盟企業に健康経営の推進を促してきた。その結果、21年度には愛鉄連健保の加盟企業のうち70社が、「健康優良法人」の認定を受けたのだという。愛鉄連健保加盟企業の従業員の、年間の平均医療費は、全国的な健康保険組合の平均医療費に比べて、9%低いのだとしている。
 愛鉄連健保では、同健保があらかじめ設定した健康目標の項目を、加盟企業が着実にクリアしていっており、各社の健康経営における成果につながっている。愛鉄連健保が、加盟企業に特に促している健康目標は、「従業員の健康を優先することが、将来的に生産性の向上につながる」「社員の家族の健康なくして社員の健康はない」─といったことだという。
 愛鉄連健保の井崎茂常務理事は、「中小企業は、経営をやりくりするのに手いっぱいで、事業優先になりがちだ。それだけでは従業員の健康が野放しになってしまう。『水を飲む』ことなら、従業員の負担が少なく、日常生活に取り入れやすいのではないか」と話している。

めっき加工を得意とする興和工業所

めっき加工を得意とする興和工業所

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