〈拡大する購入型クラウドファンディング〉 市場規模は500億円超/CF軸の商品展開が活性化

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 購入型クラウドファンディング(CF)の市場が拡大している。国内でサービスが根付いてから約10年で市場規模は500億円超に達した。近年ではオンラインの新たな販売チャネルとして、通販・EC事業者やメーカーが「商品お披露目の場」として先行販売やテストマーケティングに活用するケースも多い。ニーズの拡大に伴いCFプラットフォームの運営側も、単純な商品掲載にとどまらない独自のサービスを打ち出している。商品展開の起点としてCFの戦略的な活用が進んでいくだろう。

■ECに近い購入型CF

 資金支援を通じて物品やサービス(リターン)の取引を行うのが購入型CFの特徴だ。
 事業者がCFサイトに新事業や新商品をプロジェクトとして一定期間掲載。ユーザーはプロジェクトのリターンに設定された価格を資金支援として支払うことで、事業者から後日商品化したリターンを受け取る。
 事業者はプロジェクト掲載・進行の手数料として支援総額の一部をCFサイト側に支払う。取引の流れは別表(1)の通り。ユーザーとの窓口を担うCFサイトは、ECモールに近い役割を持つ。
 在庫のリスクを持たずに新商品の発信が行えることから、販売基盤を持たないスタートアップ企業や大手企業の新規事業による活用も増えている。近年は市場調査など、商品展開前のテストマーケティングのツールとして活用されるケースも多い。
 CFサイト「GREEN FUNDING(グリーンファンディング)」を運営するワンモアのPR担当・吉原瞬氏は「販売金額ではなく、商品への反響や購入層のユーザー分布などの収集に重きを置いてCFを利用する企業が増えてきている」と言う。
 国内では「READYFOR(レディーフォー)」や「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を先駆けに、11年以降多くの購入型CFサイトが開設されている。主なCFサイトは別表(2)の通り。
 CFサイトが設定する手数料の料率は支援総額の10~20%というケースが多い。「国内CFサービスの手数料は、海外と比べて高めに設定されている。その分、進行フォローやプロジェクト掲載後の販路支援などサポート面が充実されている」(吉原氏)と言う。
 CFで商品の先行販売を行う事業者などは、実質的に「予約販売ECモール」としてCFサイトを活用している。こうした実情もあり、大手プラットフォームの「Makuake(マクアケ)」は「応援購入」というフレーズを打ち出し、よりECの色が強いサービスを展開している。


■市場規模は右肩上がり

 20年は購入型CFの市場が大きく拡大した1年だった。


(続きは、「日本流通産業新聞」8月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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