〈大手ECモール〉 物流競争は新局面へ/アマゾンは都市部強化、ZHDは迅速配送

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「Amazon Flexドライバー」を数百人規模で募集

 コロナ禍でEC市場が拡大する中、EC事業者は増える注文を効率よく処理するため、ECモールによる物流サービスの使い分けが進んでいるという。各ECモールは自社のサービスを強化することで、EC事業者の委託在庫を確保し、販売力の向上につなげようとしている。物流サービスで一歩リードしているアマゾンは、1都3県の配送拠点を拡充し、都市部の配送スピードや品質を向上させると発表した。「ヤフーショッピング」などのECモールを抱えるZホールディングス(ZHD)は、グループ企業と最短15分で商品を届ける「即配サービス」のテストを始めた。楽天は日本郵便と新たな物流サービスの構築に向けて準備を進めている。外部パートナーを活用しながらも自社のプラットフォームを拡充するアマゾンと、宅配会社との提携により物流サービスを強化する楽天やZHDの戦い方の違いが明らかになりつつある。

■ドライバー数百人募集

 アマゾンは7月12日、年内に東京、埼玉、千葉の計5カ所に配送拠点「デリバリーステーション」を開設すると発表した。6月29日には東京・町田市に1拠点新設している。年内に4拠点新設する計画だ。
 さらに、ラストワンマイルの配達を担う数百人規模の「Amazon Flex(アマゾンフレックス)ドライバー」を募集する。最大の需要地である都心部の配送体制を強化し、配送スピードや品質のより一層の向上を目指す考えだ。
 ある物流コンサルタントは、「アマゾンは脱宅配キャリアを急いでいるようだ。宅配クライシスのときにヤマト運輸から運賃の値上げ要請を受けた経験が尾を引いている。19年から本格展開している『アマゾンフレックス』をさらに拡大し、自社でコントロールできる配送網を構築しようとしている」と見ている。
 アマゾンは「デリバリープロバイダ」という地域限定の配送委託業者のネットワークを拡大するとともに、「アマゾンフレックス」というラストワンマイルの配達を行う個人事業主のネットワークを構築しようとしている。
 「アマゾンフレックス」の拠点となる「デリバリーステーション」は関東や関西、宮城、福岡に26拠点あり、年内に30拠点まで拡大させる。現在は都心部における配達員の拡充を急いでいるが、今後エリアも拡大していくだろう。


■15分配送をテスト

 スピード配送で新たな取り組みを開始したのはZHDだ。
 7月5日、傘下のアスクルや経営統合したLINE傘下の出前館とともに、日用品や食料品をスピード配送する「即配サービス」の実証実験を開始すると発表した。7月末から東京・板橋区を中心としたエリアで開始し、3~5エリアに順次拡大する予定だ。
 対象エリアのユーザーは、出前館のサービス上で、アスクルが販売する約300種類の商品を、最短15分で受け取ることができる。出前館の配達員は注文を受けた後、都内の専用倉庫で商品を受け取り、自転車やバイクで指定された配達先に届ける。ZHDやヤフー、LINEは、集客やポイント施策などのマーケティング活動をサポートする。
 ZHDは今回の実証実験で、即時配達ニーズを把握し、実用化の可能性を探る。
 ある物流コンサルタントは、

(続きは、「日本流通産業新聞」7月22日・29日合併号で)

Zホールディングスの「即配サービス」の仕組み

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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