消費者庁/景表法改正も視野に検討会/成果報酬型広告の規制強化に向け

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記者会見する井上信治消費者担当大臣

 消費者庁は6月、アフィリエイト広告の規制強化に向けた検討会の初会合を開催する。同検討会では、業界団体やASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)からのヒアリングを行い、アフィリエイト広告への景品表示法適用についての考え方を整理する。景表法の改正なども視野に入れているという。


■広告主の規制が前提

 井上信治消費者担当大臣は5月28日、閣議後の記者会見で、「アフィリエイト広告等に関する検討会」を設置することを明らかにした。6月上旬に、初会合を開催する予定だという。主な検討事項として、「景表法の適用等に関する考え方」「不当表示の未然防止等のための取り組み」を挙げている。
 アフィリエイト広告についてはこれまで、製品の効果効能に関する虚偽誇大広告が、消費者に誤認を招いているなどと問題点を指摘されることが多かった。アフィリエイト広告は、アフィリエイターが成果報酬を求めるあまり虚偽誇大表示に陥りやすく、広告主による、表示物の管理が行き届かないという問題点もあったという。
 消費者庁では現在、アフィリエイト広告について実態調査を実施している。検討会では、同調査に基づき、アフィリエイト広告の現状や課題を明らかにする。不当表示が生じない健全な広告の運用がなされるよう、対応策を検討するとしている。
 消費者庁表示対策課の西川康一課長は、「アフィリエイターやASPが悪いという指摘もあるが、広告主が表示物を管理するというのが大前提。その前提を踏まえて、検討会で専門家の方に議論をしていただく」と話している。


■健全な事業者の負担は軽微か

 アフィリエイト広告に詳しい専門家の中には、「法律に則った、健全なアフィリエイト広告の運用をしている通販事業者には、影響はないだろう」と予想する人もいる。
 検討会の委員を務めた、(一社)日本アフィリエイト協議会(事務局神奈川県)の笠井北斗代表理事は、「検討会は、製品の効果効能を表示する悪質なアフィリエイト広告の広告主を排除することに主眼を置いている。『不当表示の未然防止』の取り組みも導入を検討しているが、規制の余波で、健全な事業者の業務が妨げられるといったことはないと考えている」としている。
 薬機法や景表法に詳しい、東京神谷総合法律事務所の成眞海弁護士は、ASPやアフィリエイターに対する規制の強化もあり得ると指摘する。「アフィリエイト広告の問題の一つは『広告主が内容を事前に確認しないまま、誇大広告が流布されている』ことにある。現時点でも、『一緒に広告を作成した』と言う場合、アフィリエイターも行政処分の対象になるケースがある。その幅を広げたいのではないか」と話す。
 丸の内ソレイユ法律事務所の中山明智弁護士は、「『広告主の責任を具体化する』というのが、検討会の議論の終着点ではないか。アフィリエイト広告をどう管理するかについて、ガイドラインを作成するのではないか」と予想する。
 ある健康食品食品メーカーの通販担当者は、「違法な広告の排除が進めば、美容健食のやんちゃなベンチャー系通販企業も排除されることになるのではないか。そうした事業者が、ECからオフライン通販へと回帰する流れもあり得る」と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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