〈コロナ禍の水宅配市場〉 消費量増大で各社増収/PWは、新規開拓好調で破竹の勢い

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PWの催事現場のイメージ

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 コロナ禍の水宅配市場では、在宅率の増加に伴い、水ボトルの消費量が増大しており、各社の業績は増収基調で推移している。業界大手のナックやアクアクララも、足元の四半期の売上高は増収となっている。中でも破竹の勢いで増収増益を遂げているのが、業界1位のプレミアムウォーターホールディングス(以下PW)だ。PWの20年4―12月期(第3四半期)の売上高は前年同期比23.3%増の415億9500万円となった。PWでは、業界の「次の課題」となっている、対面営業力の強化にいち早く取り組み、成果を上げている。営業マンのモチベーション管理の徹底などを図った結果、コロナ禍においても、対面販売での新規顧客獲得が順調に進んでいるのだという。各社も、ここに来て対面営業強化に力を注ぎ始めている。

■PWの営業益は2.3倍に

 水宅配各社の業績は好調だ。業界2位で「クリクラ」ブランドで水宅配事業を展開するナックの20年4―12月期(第3四半期)の売上高は、前年同期比13.7%増の113億2000万円だった。ナックでは、20年1月に水ボトルの価格を改定したところ、顧客単価が向上した。1件当たりの水ボトルの消費量の増加も増収の大きな要因。新開発のサーバーの販売台数が増加した他、次亜塩素酸水溶液の売り上げが加わったことなどもあり、2桁増収となったという。
 業界3位のアクアクララ(本社東京都)の20年9月期の売上高は、未公表ながら、本紙推定で75億円。同社でも、顧客1件当たりの水ボトルの消費量が増大したことが、増収の要因となったとしている。
 水宅配各社の業績は軒並み好調だが、コロナの影響で対面の営業がしづらく、新規顧客獲得が思うように進まないことが業界共通の課題となっている。20年12月末時点の本紙の調査では、ナックの水宅配の契約顧客件数は横ばいの48万件だった。アクアクララも、前年比横ばいの48万件だったという。4位の富士山の銘水(本社山梨県)の契約顧客件数は、本紙推定で36万件。前年比で1万件ほど純増したとみられるが、多くはウェブ経由の申し込みだったという。
 そんな中、対面勧誘で一人気を吐いているのが、PWだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月18日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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