〈訪販・食品宅配大手〉 健康を訴求した商品戦略へ/”免疫””腸内環境”を軸に

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ワタミ・渡邉美樹会長が山本一太群馬県知事を表敬訪問(20年12月)

ワタミ・渡邉美樹会長が山本一太群馬県知事を表敬訪問(20年12月)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、健康意識が高まり、特に”免疫”に関心が寄せられている。訪販や食品宅配の大手企業は、オウンドメディアで日々の食生活を通じた健康情報を発信したり、発酵食品など免疫を訴求する情報を積極的に紹介する動きが広がっている。ヤクルト本社では昨秋から、コロナ禍で非対面になっている顧客に向け、腸内環境に関する情報を配信するオウンドメディア「ヤクルトベース」を開設。食品宅配のエスエルクリエーションズも昨年末からオウンドメディアを始めた。オイシックス・ラ・大地傘下の食品宅配「大地を守る会」では、発酵食品のラインアップを強化。ワタミも、免疫に訴求する素材「きく芋」を自社で栽培することにした。各社とも消費者のニーズに応えようとしている。

【健康・免疫をテーマに商品で差別化】

■〈ワタミ〉機能性素材「きく芋」に着目

 ワタミは、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があり、糖の吸収を穏やかにするという水溶性食物繊維「イヌリン」を含む食材「きく芋」を使った商品の開発に乗り出している。20年春には新たなオーガニックブランド「ワタミオーガニック」を立ち上げ、所有する8農場のうち5農場で「スーパーBIOフードきく芋」の栽培を開始。3年後には約300トンまで収穫量を増やす計画だ。
 食品宅配「ワタミの宅食」は、健康生活を支える「食事力」がコンセプト。「きく芋を使用することで、顧客の健康志向に応えられる」(宅食事業本部)と狙いを話す。
 健康志向に応えるため、主力商品「まごころ御膳」に、パウダー状にしたきく芋由来のイヌリンをコメに加えて炊き込み、「きく芋ごはん」として昨夏から販売を始めた。お茶「菊芋茶」も開発し、既存顧客に配布している月刊誌「宅食ライフ」で販売につなげた。
 販売員「まごころスタッフ」には、毎月本社から配信される5分ほどの研修用動画「ビデオレター」できく芋の説明を行い、顧客への訪問の際に説明できるようにした。
 「きく芋」以外では昨年11月に「サラダを食べる健康習慣」や「フルーツを食べる健康習慣」を発売したほか、今年1月には有機野菜を詰め合わせた「野菜BOX」を投入。商品ラインアップを増やすことで健康的な食生活の提案を強化している。ワタミの清水邦晃社長は「きく芋は戦略商品として宅食事業に加え、通販でも新商品の販売を視野に入れている」と話す。煮物などの総菜にも使用していく考えだ。

■〈大地を守る会〉発酵食品で免疫を提案

 オイシックス・ラ・大地傘下の食品宅配ブランド「大地を守る会」では、

(続きは、「日本流通産業新聞」2月4日号で)

ヤクルトベースで腸内環境に関する情報を発信

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エスエルクリエーションズは食生活を通じた健康情報を提供

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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