楽天は11月22日、「楽天市場」の出店者向けに「SDGs(持続可能な開発目標)」の理解を深めるセミナーイベント「EC×SDGs 超入門!~楽天とサステナブルなお買い物を知ろう~」を開催した。イベントでは、店舗のSDGsの生々しい取り組みを紹介した。表面的には顧客へ「負」を与える取り組みも、社会的な視点や店舗の思いを伝えることで、顧客からもポジティブな反応を得られていることが分かった。
「SDGs」とは「持続可能(サステナブル)な開発目標」という意味であり、17の大きなゴールが設定されている。環境配慮に関するものだけでなく、貧困や不平等の是正、パートナーシップや働き方をより良いものにするといったゴールも設けている。
楽天の「SDGs」セミナーには約100人の申込者があった。セミナーでは「SDGs」や消費者意識の変化を解説するとともに、楽天としてのSDGsへの取り組みや、「楽天市場」の出店者の事例などを紹介している。
楽天はサステナブルな商品を集めたモール「EARTH MALL with Rakuten(アースモール・ウィズ・ラクテン)」を展開しているが、今回のイベントはそのモールへの参加を促すことが目的ではないようだ。
楽天の執行役員コマースカンパニーCCO&ディレクター・野原彰人氏は、「『SDGs』は楽天の創業の精神と通ずるものがある。店舗さんと一緒に日本を元気にしたいという経営理念と合致すると改めて感じる。楽天が自ら行動を起こすだけでなく、5万店もの店舗さんに『SDGs』についてお伝えして、少しでもアクションに起こしていただけるように働き掛けることもプラットフォーマーの役割だと考えている」と説明した。
もともと、出店者であり、現在は楽天の地域創生部で活躍する小笠原航氏は、「私のミッションの一つは、楽天と店舗との関係の深化と進化。『SDGs』的な考え方で、いかに楽天と店舗さんが歩み寄りながら、お客さまに向かっていくかを再構築できればと思っている」と説明した。
「楽天市場」におけるサステナブルのベースになるのは、店舗と楽天の関係性だ。楽天と店舗が「SDGs」の意識を高めることで、消費者へのアピールはもちろん、楽天と店舗の関係性が未来に向けて、より良いものに進化していくビジョンがあるようだ。
■人気同梱物を廃止
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(続きは、「日本流通産業新聞」12月10日号で)
【EC企業のSDGs】 「伝える」ことで前向きに/顧客に「負」与える施策でも好反響
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