〈化粧品訪販各社〉 従来型訪販への回帰進む/研修にはデジタル化の波も

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 コロナの影響で多くのエステサロンが休業を余儀なくされる中、化粧品訪販各社では、一般化していた「サロン型訪販」から「従来型訪販」への回帰が始まっている。取材した化粧品訪販5社全てが、マスク着用など衛生面に配慮した上で、販売員が各自の判断で顧客宅を訪問していると話した。商品や販売方法の研修に、ユーチューブの動画やLIVE配信を活用する動きも広がっている。コロナがきっかけで、化粧品訪販業界にもデジタル化の波が押し寄せている。

■エステはほとんどが営業自粛

 「従来型訪販」を一時的に活発化させる化粧品訪販企業が増えているようだ。外出自粛の影響で、4月以降、販売員や代理店が運営するエステサロンのほとんどが休業や営業自粛を余儀なくされた(表参照)。緊急事態宣言が解除された6月1日以降も、エステサロンには客足が戻らない状況が続いているという。
 サロンへの来客が見込めない中で、販売員それぞれが、既存顧客に電話やLINEで個別にアプローチし、商品を届けるといった、従来型の訪販で、売り上げの維持を図るケースが増えているようだ。
 ポーラは4月上旬、政府の緊急事態宣言の発令に合わせて、「ポーラ・ザ・ビューティー」などのエステサロン1300カ所に営業自粛を要請した。都市部で活動するある販売員によると、緊急事態宣言解除後は、ほとんどの店舗で営業が再開されたが、客足はコロナ前の3割程度にとどまっているという。
 ヤクルト本社の化粧品部では、緊急事態宣言と同時に、全国のほとんどのエステサロンを閉鎖したという。ヤクルト本社では、7月に発売するクレンジングの新商品の販促を、5月から全国11カ所で実施する予定だったが、それもすべて中止したとしている。
 化粧品のサロン販売を手掛けるヤマノビューティメイトグループ(ヤマノ、本社東京都)では、エステサロンで化粧品の販売活動を行う代理店約1000人に対して、衛生管理の徹底を条件にサロンの営業を続けることを認めたが、実際には、代理店の約半数が、サロンを一時的に閉める決断をしたという。
 エステサロンの営業の見通しが立たない中、従来型の訪問販売で売り上げを維持するケースが増えているようだ。
 ヤマノでは、サロンを一時休業にした代理店の多くが、顧客のもとに赴いて商品を届ける従来型の訪販で、販売を継続しているという。
 ヤマノでは、19年に開始した健康茶の販売で、代理店が契約した顧客に本社が定期的に商品を発送する仕組みを導入していた。コロナの非常事態を受けて、定期配送の仕組みを化粧品にも適用。従来型訪販を行いやすい環境を整えたという。
 オッペン化粧品では、多くの代理店が、電話で既存顧客にアプローチする戦略を実施している。販売員が顧客に電話し、生活の状況を聞きつつ化粧品を提案する取り組みを、全国1200カ所の拠点で実施しているという。注文を受けた商品は顧客宅に配送している。緊急事態宣言が解除された現在は、訪問による対面販売も行っているが、販売員が顧客宅に訪問する際は、マスク着用を徹底し、対面での会話は極力しないように推奨しているとしている。


■デジタル研修がデフォルトに

 化粧品訪販各社の販売員教育のあり方も大きく変わっている。従来は、販売員に対して、対面で研修を行う企業がほとんどだったが、濃厚接触のリスクが高まる対面での研修は敬遠されるようになっている。
 対面での研修に代わって販売員教育のデフォルトになりつつあるのが、Zoomを使ったオンライン研修や、ウェブ上の動画教材を使った自主学習だ。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月11日号で)

オッペン化粧品はユーチューブで商品の研修動画を配信

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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