大地・らでぃっしゅ 20年3月期/減収も購入金額が上昇/オフライン接点を強化

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 オイシックス・ラ・大地はこのほど、グループ傘下のらでぃっしゅぼーやと、大地を守る会の20年3月期業績を公表した。
 大地を守る会の売上高は、前期比3%減の105億4000万円、営業利益は同5%減の18億8000万円だった。会員数は、同7.5%減の3万7188人だったが、減少幅は縮小し、会員数はほぼ下げ止まったという。
 会員1人当たりの月間購入金額(ARPU)は同12.2%増の2万2170円。第4四半期以降は、50代以降のシニア層をターゲットとした会員獲得方法を実施。NHK「きょうの料理」とコラボレーションしたレシピを紹介したことで、通常のお試しセットよりも約1.5倍の販売を記録したという。
 また、ウェブでの買い物が少ないシニア層へのアプローチとして新聞広告といったオフラインチャネルも活用した。
 らでぃっしゅぼーやの売上高は、前期比9%減の149億8000万円、営業利益は同14%減の26億6000万円となった。会員数は同9.6%減の5万7393人だった。会員1人当たりの月間購入金額は同8.2%増の1万8681円。
 購入頻度や購入単価が低い「赤字会員」を戦略的に減らす取り組みを上期で終了させた。下期は、オペレーションを改善したことで解約率が約15%減少したという。
 そのほか、複数の定期購入への利用促進が奏功し、新規入会8週間後の継続率が約2割上昇。野菜BOXの中身のアレンジが可能な「アレンジぱれっと」を導入した結果、購入頻度が4割上昇したほか、過剰包装などのクレームも5割減らした。
 次期について、大地を守る会は、シニア層への集客媒体を開発することでオフライン接点を増やすほか、野菜セットの価格帯や副菜の内容を見直す。雑誌「Dr.クロワッサン」とコラボし、発酵レシピを開発するほか、NHK出版が監修する免疫力を高める食生活の提案を進める。
 らでぃっしゅぼーやは、解約率低下策を推し進めるほか、コロナをきっかけに入会した会員の継続利用を促すことを目的に、農家とのオンライン料理教室のほか、週末の料理キットを開発していく考えだ。
 5月28日にオンラインで開催した決算説明会で高島宏平社長は「らでぃっしゅぼーやが本格的に新規会員を獲得をするのは半年から1年後になるだろう。大地を守る会は現状でも単価が十分に得られている」と話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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