日本和装ホールディングスの19年12月期における売上高は前期比2.6%減の55億1000万円だった。経験の浅い人材を起用した新たな経営体制で臨んだことで、上期を中心に不振だったものの、下期以降は業績が回復基調になったという。
新規顧客獲得の取り組みとして、無料きもの着付け教室の受講者募集プロモーションで、受講料が「無料」であること、受講回数が「6回」という点を分かりやすく訴求。また、手ぶらで参加できる1日限りの無料きもの着付け体験を実施し、着付けへの興味や関心を高めるためのきっかけ作りに取り組んだ。こうした施策が奏功し、入会者数は年間延べ1万人を超えた。既存顧客に対しては、きものの産地や生産者などをテーマに掲げた催事、産地ツアーを企画し、顧客の掘り起しにも注力した。
一方で、新経営体制で営業部門の次世代リーダーの育成に注力。経験の浅い次世代人材を多数登用し、将来を見据えた刷新を行ったことから、一時的に売り上げの低下を招いたものの、過去最高水準の営業利益を達成した前期並みとなった。
海外事業は、連結子会社の「日本和装カンボジア」で、日本国内で培ってきた「無料きもの着付け教室」を軸にした販売仲介のノウハウを活かし、日本語が話せない人に無料で日本語を教えるサービス「Teachers」を始動。日本語での会話ができる人材を育て、企業に紹介する「人材紹介ビジネス」の事業化を目指し、テストマーケティングを開始している。
日本和装ホールディングス/19年12月期、減収減益/経営体制の刷新が影響
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