〈アパレル事業者〉 新品と中古品を循環/消費者意識の変化を生かす

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「持ち物リスト」にメルカリへ出品する際の商品情報や、参考出品価格が自動的に入力される

「持ち物リスト」にメルカリへ出品する際の商品情報や、参考出品価格が自動的に入力される

 アパレル事業者が新品と中古品を循環させて新たな活路を見いだそうとしている。スマホ決済サービス「メルペイ」を提供するメルペイは9月18日、「メルペイ」を利用してネット決済した商品の購入履歴をもとに、フリマアプリ「メルカリ」に出品できる機能を発表した。まず大手アパレル3社が、出品連携機能を自社ECサイトに実装すると名乗りを上げた。ZOZO(ゾゾ)は9月25日、不要となった服をいつでも自社のポイントに交換できる新機能を発表した。古着のECを手掛けるベクトルは19年3月から、アパレル事業者に対しリユース事業参入の支援活動を手掛けている。売買することを前提に新商品を購入するという消費者意識の変化を捉え、2次流通網を活用した販売に注目が高まっている。

■メルカリと連携強化

 メルペイは9月18日、事業戦略発表会を開催した。伊豫建夫執行役員CPOは、「2次流通のデファクトスタンダードともいえる『メルカリ』との連携を強化し、決済という一次流通を中心とした領域だけではなく、一次流通と二次流通を滑らかに行き来できる世界を作りたい」と説明した。
 「メルカリ」の登場により、ユーザーは売ることを前提として新商品を購入することが当たり前になってきたことにも触れた。
 「メルカリ」の19年6月期の国内流通総額は、前期比49.3%増の4902億円。月間のアクティブユーザー数は同26.2%増の1357万人だった。CtoC市場は拡大の一途をたどっている。
 新品と中古品をつなぐ第一歩として、メルペイはネット決済した商品情報を「メルカリ」に連携させ、ワンタップで出品できる新機能をリリースする。
 20年初頭の実装を目指し、現在システムを開発している段階だ。「メルカリ」内の2次流通データを生かして、商品開発や販売促進の支援なども検討しているという。
 出品連携機能は、(1)メルペイを使い、提携するECサイトで商品を購入する(2)現在開発中の「メルカリ」の「持ち物リスト」内にメルぺイで決済した商品情報が入る(3)「持ち物リスト」には「メルカリ」へ出品する際の商品情報や参考出品価格が自動的に入力─することで、ワンタップで簡単に「メルカリ」に出品できる。


■連携同意は3社

 現時点で、メルペイの導入を決定しているのはアパレル商材を手掛ける事業者が中心。50以上のECサイトがネット決済パートナーとなっている。
 その中で出品連携機能の導入に同意したのは、ANAP(アナップ)、CROOZ SHOPLIST(クルーズショップリスト)、ストライプインターナショナル・ストライプデパートメントの3社だ。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月3日号で)

出品連携機能の導入に同意したのは、ANAP、CROOZ、SHOPLIST、ストライプインターナショナル・ストライプデパートメントの3社

出品連携機能の導入に同意したのは、ANAP、CROOZ、SHOPLIST、ストライプインターナショナル・ストライプデパートメントの3社

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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