〈電子書籍や書籍通販 アマゾンの牙城に対抗〉 書店や出版社と連携強化/電子書籍の認知高め書店顧客の利用促進も

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

楽天の「BooCa」サービスサイト

国内の電子書籍配信事業者や書籍通販事業者が、アマゾンの牙城に対抗する取り組みに着手し始めた。楽天は3月5日から、出版社や書店と協力して電子書籍の紹介を書店で実施。試験的に行っているもので、電子書籍の認知度を高めて書店顧客の利用を促す。大日本印刷(DNP)と紀伊國屋書店は4月1日付で、出版流通市場の活性化と新たなビジネスモデルの創出を目的とした合弁会社を設立。書籍通販の強化やポイントサービスの統合などを手掛ける計画だ。両事業とも電子書籍や書籍通販で先行するアマゾンを意識したもので、電子書籍や書籍通販事業者のみならず、出版社や書店を巻き込んだ連携を強化しているのが特徴だ。

電子書籍のカードを書店店頭で販売

 楽天が手掛けているサービスの名称は「BooCa(ブッカ)」。電子書籍の情報を盛り込んだ専用カードを書店で販売している。カード購入者は書店のレジで代金を支払った後、「楽天ブックス」などのサイトから電子書籍の情報をダウンロードする仕組み。
 店頭では書店員が電子書籍の内容を顧客に案内・紹介するなど、販促につながる可能性も見込める。さらにクレジットカードを保有していない人もレジで現金決済ができるため、電子書籍を利用したことがない新規顧客の獲得が期待できるとみている。
 専用カードの購入者が作品を読むにはダウンロードが必要となるため、「楽天ブックス」や「BookLive!(ブックライブ)」といった電子書籍配信サイトの認知度向上も図れる。
 「ブッカ」のサービスは昨年6月から今年2月まで、出版情報・業界システムの基盤整備に取り組む、一般社団法人日本出版インフラセンター(事務局東京都、相賀昌宏代表理事)が試験的に行ってきた。
 試験販売期間における専用カードの売上高は約1400万円。購入者の約半数が50代以上の人だったという。試験販売の結果について同センターでは、電子書籍の利用率が低い年齢層へのアプローチとして活用できるとみている。
 「ブッカ」は6月の本格展開に向けて試験販売を実施している。本展開開始時には、出版社や書店など100社以上の参加を見込んでいる。国内の電子書籍市場は、電子書籍リーダー「キンドル」を展開するアマゾンが、かなりのシェアを握っているとみられている。

(続きは本紙4月2日号で)

紀伊國屋書店が運営している書籍、電子書籍通販サイト

大日本印刷グループが運営している書籍、電子書籍通販サイト

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ