日本宅配水&サーバー協会/物流改善で各社連携へ/幹線輸送の共通化や倉庫共有など

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 水宅配業界各社で運営する(一社)日本宅配水&サーバー協会(所在地東京都、石間尚雄代表理事)は7月9日、水宅配業界が抱える物流問題の改善について協議する「物流委員会」の初会合を開催した。会合では、各社のウォーターボトルを混載する幹線輸送や、各社がボトルを保管する倉庫の共有などの実施可能性について話し合った。水宅配各社では物流費の高騰が課題になっている。今後、業界が連携して物流コストの抑制を行っていく可能性があるという。
 物流委員会には、水宅配大手のナックやアクアクララ、プレミアムウォーターなどの8社が参加している。6月開催の同協会の総会で新設された。会員企業各社が抱える物流コストや人材不足の課題を解決するのが目的だ。
 物流委員会の委員長で、ワンウェイの水宅配事業を手がけるプレミアムウォーター(本社東京都)の大橋豊執行役員によると、各社が協力可能な課題解決の施策は大きく分けて四つあるという。(1)ウォーターボトルをトラックやJRのコンテナ貨物、フェリーなどを使って幹線輸送する際の協力(2)ボトルに関連した人材の確保や共有(3)各社が採水工場からボトルを移送する際に使用している拠点倉庫の共有(4)ラストワンマイルの配送の協力─の四つだ。
 水宅配各社では現状、採水工場の拠点から地方の配送拠点にボトルを輸送する際、配送会社や輸送会社にそれぞれ幹線輸送を委託していることが多いのだという。各社がボトルを混載して幹線輸送することができれば、1回分の積載するボトル数を増やしたり、輸送回数を増やしたりして効率化を図れる可能性があるという。
 物流委員会では、宅配水業界のイメージアップにつながるPR戦略も協力して実施していく考えだ。ボトルの生産現場や配送現場、顧客の声などを強くPRしボトルの物流に関する人材の確保につなげたいとしている。
 物流委員会の初会合では、参加企業にどのような課題があるか、どのような協力ができる可能性があるかなどについて、各社からヒアリングするにとどまった。今後は、各社が協力可能な部分について、すり合わせを進めていくという。物流委員会での具体策の検討が、将来的に、水宅配各社の収益改善や人材確保につながる可能性は十分にある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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