シーボン/ウェブ集客を新規接点の柱に/サロン以外での接点を多面的に

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 化粧品のサロン販売を行うシーボンは19年4月から、ウェブを使ってサロンへの集客を図る取り組みを強化している。新規顧客向けの商品を見直し、4万~8万円の「初回セット」を開発。ウェブ広告で得た見込み客を、初回セットを前面に押し出したシーボンのブランドページへと誘導している。ウェブ経由の集客を、従来から行っているイベントプロモーションに並ぶ集客の柱にしていきたいという。スマホアプリの機能を拡充することにより、新規顧客の定着率向上を図る戦略も進めている。
 シーボンでは現在、駅頭や郵便局、携帯電話の販売店などでの、対面のイベントプロモーションによる集客が、集客全体の7割以上を占めている。対面でのサロンへの誘客は、シーボンの販売スタイルやブランドイメージを顧客に理解してもらいやすい。そのため、成約に結び付きやすく、購入単価の高い顧客の来店の増加も期待できたという。
 ただ近年は、人手不足が影響し、イベントに必要なPRスタッフの確保が困難な状況が続いているという。実際、19年3月期のイベントによる集客は前期比で8.3%減少した。
 今後は人手を要しない集客策として、ウェブ広告の活用を行っていくという。ウェブ広告からシーボンのトライアルプランの商品紹介ページに誘導。シーボンのカウンセリング販売の仕組みや、新規客用のトライアルセットをランディングページで紹介した上で、サロンの予約ページへと誘導している。
 4月には、既存顧客向けのスマホアプリの機能も拡充。過去に来店したことがある顧客は、サロン店舗で撮影した肌データの内容を、スマホアプリ上で確認できるようにした。サロン以外で顧客との接点を増やすことにより、ウェブから集客した顧客の定着率を高めるのが狙いだという。同アプリは18年4月から19年3月までの1年間で、既存顧客約2万人がダウンロードしたという。
 20年3月期は、ウェブからの集客を強化しつつも、引き続き効率を重視した集客イベントを継続していくとしている。首都圏の駅や空港などの交通広告や、美容雑誌の広告なども、出稿を強化していく予定だという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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