〈有料放送・動画配信サービス〉 通販連動企画を強化/エンタメ性ある販売手法で展開

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WOWOWコミュニケーションズは運営するECサイトの特設ページでワイン通販を紹介

WOWOWコミュニケーションズは運営するECサイトの特設ページでワイン通販を紹介

 有料放送や動画配信サービスを提供する企業が、通販連動型の企画を強化している。WOWOWコミュニケーションズ(本社神奈川県、黒水則顯社長)は1月11日、ワインの定期通販を始めた。WOWOWが放送するグルメ番組と連動しており、これまでの注文件数は当初計画の1.5倍以上となっている。NTTドコモは、映像配信サービス「ひかりTV」や通販事業を手掛けるNTTぷらら(本社東京都、板東浩二社長)を子会社化する。映像配信サービスにひも付いたEC展開も視野に、事業を拡大したい考えだ。各社は映像コンテンツと通販を連動し、エンターテインメント性を付加した販売手法で成長を図っている。

 WOWOWは1月12日、グルメ番組「The Wine Show(ザ・ワインショー)」の放送を始めた。毎週土曜日の午前7時から放送している番組で、世界のワイナリーを紹介。ワインソムリエの大越基裕氏が番組を監修している。
 ワインの定期通販サービス「ワイン定期便」を、WOWOWコミュニケーションズが運営するECサイト「wowshop(ワウショップ)」内に特設ページを設けて、案内している。月額5000円と1万円の2コースを用意。5000円コースはカジュアルにワインを楽しみたい顧客向け、1万円はより高級なワインを求める顧客向けと位置付けている。
 WOWOWは「『番組に登場するチーズを味わいたい』という声から昨年、チーズの定期便を始め、一定の評価を得た。エンターテインメントをリアルに体験する価値に可能性を感じ、ワイン定期便も展開しようと企画が始まった」(マーケティング局デジタルマーケティング部・菊地将弘氏)と説明する。
 各コースとも毎月1〜2本のワインを届ける。提供するワインは大越氏が選定。番組内で紹介したワイナリーや地域のワインを届けることで、番組と連動させている。
 注文件数は当初見込みの1.5倍以上で推移しており、1万円コースを選択する顧客が5000円コースの2倍弱となっている。主な顧客層は40〜50代。
 番組後に定期通販サービスを案内するほか、「ワウショップ」の顧客向けにメールを送付し、新規顧客を獲得。メールはDMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用し、視聴番組や購入履歴から割り出した潜在顧客に対して、送付している。
 「『ワイン定期便』の開始から1カ月たったが、継続的に新規の申し込みがある。番組自体の認知度も徐々に上がっている感触。定期便を先に知った顧客が、WOWOWに加入するケースも生まれている」(同)と出だしは順調のようだ。

■5G見据えるNTTドコモ
 NTTドコモは、20年を予定している5G(第5世代移動通信システム)でのサービス展開を見据え、映像配信事業を強化している。映像コンテンツの制作や調達に強みを持つNTTぷららを子会社化することで、ECを含めた事業拡大を図る。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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