〈新潟味のれん、山忠が強化〉 優良、新規に分け顧客向け施策/電話スキル向上でリピート化も

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ECサイトでは初回送料無料を前面に出して販促

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 ダイレクトメール(DM)やカタログによる通販企業が、購入頻度の多い優良顧客と新規顧客を分けた販促施策で成果を上げている。米菓などの新潟味のれん本舗(本社新潟県、渡邊幸雄社長)は全体の売り上げの8割を占める優良顧客に向けて、DMに対するオペレーターの接客レベルを高めて顧客単価アップにつなげる。新規顧客開拓にはウェブを強化してEC売上高を前年同期比15%増に拡大した。靴下などのカタログ通販を手掛ける山忠(本社新潟県、中林功一社長)は、新規顧客獲得を目的にECで販売する専門ブランドを新設。顧客の足の悩みを解決するため、足の健康に関する社内資格を設けた。社員の”足”への意識を高めることで、既存顧客の特性に応じた販売戦略を強めている。顧客との唯一の接点であるオペレーターの接客力の向上も続けている。

〈新潟味のれん本舗〉顧客と社員が近い存在に
 創業30年を迎えた新潟味のれん本舗は、18年4—11月までのEC売上高が前年同期比15%増で推移。今年2月に原料の高騰を受け、商品価格を値上げしたことから4—5月に購入頻度の低いライトユーザーの購入が一時的に減少した。6月以降は、中元をはじめとしたギフト需要が回復基調を見せ、全体の売上高は前年並みとなった。
 EC売り上げは毎月2桁ペースで伸びているものの、ネット購入顧客の年間購入回数は電話注文する顧客の平均4回に対し半分以下という。そのため、電話で注文する会員に対して付加価値を高めることで、購入回数をさらに引き上げる戦略を打ち出している。
 購入頻度の高い優良顧客には、商品以外で会社との接点を増やしている。4月からは、本社のある新潟県長岡市のさまざまな文化に関する情報をDMにして紹介する取り組みを始めた。
 最近では、DMにオペレーター社員の顔写真も掲載。渡邊社長は「社員とより近い存在になってもらうことが狙い」と話す。DMを見た顧客がオペレーター社員に「DMに載っていた○○さん?」と話しかけられることもあるという。注文以外のこうした話題を電話で作り出すことで「当社とより近い存在になってもらう」(渡邊社長)としている。
 電話対応はマニュアルに忠実になりすぎず、よりフレンドリーさを積極的に取り入れることも購入単価アップにつながっているという。
 購入金額や回数の多い上位顧客に向けて、商品の詰め合わせセットをプレゼントする企画を不定期で実施。特別感を与えることで次回購入につなげている。

■紹介制度で100人獲得
 一方で、新規顧客獲得に対してはネット施策を中心にしている。
 5月からは「インスタグラム」を開始。数人が同社のアンバサダーとなっており、アンバサダーにはプレゼント特典も検討する。将来的には、アンバサダーに商品開発に携わってもらうことも計画している。20〜30人前後の規模にしたい考えだ。
 スマホからの注文が徐々に増えており、今期中にパソコンからの注文を超える見通しだ。約4万5000人の会員にはメルマガを週1回配信しており、今期に入りメルマガ経由の売上高は約3倍に増えた。従来は新商品の案内が中心だったが、割引キャンペーンの内容を積極的に配信したことが奏功している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月13日・20日 合併号で)

「足の健康専門店」を9月にオープン。新ブランド「ケアソク」も販売している

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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