〈食品宅配・EC〉 「ミールキット」市場が活況/最大手ヨシケイは事業戦略発表

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あいさつする林雅広社長

 食品宅配や食品EC、食品スーパーで、カットされた食材とレシピが付いた「ミールキット」の需要が高まりを見せている。食品宅配業界最大手のヨシケイ開発(本社静岡県)は「ミールキット」に加え、今年10月にカット野菜を主体とした「カットミール」を投入。基幹システムを改修し、CRMの導入を計画するほか、新たな中期経営計画の策定を目指し、ここ数年、年商800億円で推移している売り上げを伸ばす。昨年10月に「ミールキット」市場に新規参入した家電大手のシャープは11月8日、日常的な利用を想定した新商品「デイリーコース」を開始。従来のハレの日需要に加え、IoT家電を軸に、新たな市場の開拓を目指す。10月25日に本格稼働した楽天西友ネットスーパーも新たにミールキットを投入するなど、市場の競争が激しさを増している。

■ヨシケイは事業戦略を発表

 ヨシケイ開発は11月9日に静岡市内で戦略発表会「第3回 ヨシケイグループ共栄会」を開催し、林雅広社長が19年9月期(42期)の事業戦略を明らかにした。
 ヨシケイグループは全国65のFCを抱え、生協以外の食品分野の無店舗販売で業界首位。本紙調査で約10年間に渡って年商800億円規模で推移し、顧客数は全国で50万世帯、週刊で発行するメニューブックが65万部、営業エリアは全国で8割をカバーする。「夕食食材キット」を「ミールキット」に再ブランディングした。43年間に渡って業界をけん引している存在だ。
 一方で、コンビニや大手食品スーパー、オイシックス・ラ・大地、アマゾンなどのEC、イオンやイトーヨーカ堂、西友楽天といったネットスーパーなどが次々とミールキット市場に新規参入しており、業界地図が変わろうとしている。これに対し、800億円という圧倒的なグループ売り上げを維持しつつ、さらなる成長することを主眼にした事業計画を策定した。
 その具体的な戦略としてまず、製品開発の軸を、従来の「プロダクトアウト」から「マーケットイン」に発想を転換させる。
 具体的には、減収傾向にあった主力商品のミールキット「プチママ」のテコ入れに着手。不振の要因として(1)他社の新規参入(2)レシピサイト(動画)の台頭(3)調理時間30分というミスマッチ─にあると分析した。
 改善策として、調理時間を2人用で20分に短縮。初心者でも分かるようなレシピに転換させた。また、紙面だけでは表現できない「プチママ専用サイト」を構築し、カタログにQRコードを付加することで流入させていく。
 18年10月に投入した新商品「カットミール」の販売も強化する。同社が実施した調査では「38%が食材を切る工程が面倒」との結果もあり、これを踏まえ、さらなる簡便化のニーズに対応する。先行導入した地域では、手薄だった20代の顧客のニーズの取り込みができていることから、主力の「プチママ」に次ぐ第2の柱に育てていく計画を盛り込んだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月15日号で)

戦略発表会「ヨシケイグループ共栄会」の様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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