政府/返礼品の規制強化/ふるさと納税制度を見直し

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 政府はふるさと納税制度の見直しに着手する。野田聖子総務大臣は9月11日、ふるさと納税制度における寄付金への自治体の返礼品の規制を厳格化する方針を明らかにした。返礼品の費用を寄付額の3割以内に抑えたり、返礼品は地場産に限定したりする。違反した自治体への寄付を税優遇の対象から外すことを検討する。
 総務省の調査によると、246の自治体において返礼品の費用が寄付額の3割を超えていた。10月末までに見直すことを表明している自治体を除いても174の自治体が基準を超えている。
 総務省はふるさと納税制度のルールを厳格化することで、返礼品の過度な競争を是正したい考えだ。これまではふるさと納税のポータルサイトなどで、寄付者の獲得競争が激化していた。返礼品は高額化し、家電製品やギフトカードなど地場産ではない返礼品が目立つようになっていた。
 今回の制度見直しは通販業界にとって追い風だという意見もある。ふるさと納税制度のポータルサイトは、ECモールと同様の形式であたかも返礼品をお得に購入しているような感覚で申し込むことができるようになっている。
 通販業界にとって繁忙期に当たる年末に駆け込みで申し込む人も多く、通販の買い控えも多少は発生していたようだ。ふるさと納税制度の17年度における寄付の総額は、前年比28%増の3653億円にも膨れ上がっていた。
 総務省は自治体にふるさと納税制度の厳格化について通知し、健全化を図る。ただ、自治体からは「基準があいまい」との指摘もあり、ルールが浸透するには時間がかかりそうだ。

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